その衛生管理用ブラシの使い方は正しいですか?選定、使用、保管方法について【前編】

その衛生管理用ブラシの使い方は正しいですか?選定、使用、保管方法について【前編】

食品工場の清掃において、衛生管理用ブラシは欠かせません。しかし、ブラシの使い方に誤りがあると、清掃効果の低下や清掃時間の増加、異物混入リスク増大の恐れがあります。そこで今回は、前編で正しいブラシの選定について、後編ではブラシの適切な使い方と保管方法について解説します。

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選定

ブラシの正しい選定方法について、5つのポイントをご紹介します。

① 清掃・洗浄箇所

全ての清掃・洗浄箇所に同じブラシを使用していませんか?これは、清掃不良やブラシの劣化が早まる要因になります。例えば、広い清掃箇所で使用している大きなブラシを、狭い箇所でも使用している場合、細かい部分の汚れが取れにくくなるため、清掃しても汚れが残ってしまう恐れがあります。また、完全に汚れを除去しようとすると、清掃に時間がかかってしまうと同時に、時間をかけて清掃し続けることが原因で、ブラシの劣化が早まり、毛が抜けるリスクが高まります。したがって、このような問題を発生させないためには、清掃箇所に適したブラシを選定することが大切です。

そこで、ここからは、4つの清掃箇所に最適なブラシをご紹介します。

広い箇所の清掃

広い箇所の清掃には、当社の短柄ブラシ、長柄ブラシ、衛生管理用たわし、ハンドスクラブブラシ、ハンドブラシ丸型などの大きいブラシを選定することをおすすめします(写真1)。広い箇所の清掃には大きいブラシを使用することで、効率的に清掃することができます。

写真1:広い箇所の清掃におすすめのブラシ

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短柄ブラシ長柄ブラシ衛生管理用たわしハンドスクラブブラシハンドブラシ丸型

狭い箇所の清掃

細かく、狭い箇所には、当社の歯ブラシ型ブラシ、ミゾッコブラシJタイプ、メンテナンスブラシ、パイプクリーンブラシといった、小さいブラシを選定することをおすすめします(写真2)。狭い箇所の清掃道具として、当社の代表的なブラシは歯ブラシ型ブラシになりますが、より細かい溝などの清掃には、ミゾッコブラシJタイプが最適です。幅が3.5mmと狭く、ブラシの先端がカーブしているため、写真の通りピンポイントでの清掃に適しています。また、歯ブラシ型ブラシでは小さすぎる場合には、メンテナンスブラシがおすすめです。その他、パイプクリーンブラシも写真のような狭い隙間の清掃にお使いいただけます。

写真2:狭い箇所の清掃におすすめのブラシ

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歯ブラシ型ブラシミゾッコブラシJタイプメンテナンスブラシパイプクリーンブラシ

床の清掃

床の清掃には、当社の衛生管理用ほうきやスクイージーがおすすめです(写真3)。通常サイズに加えて幅の広いタイプもあるため、清掃フロアの広さに合わせて使用することで、清掃効果の向上や清掃時間の削減につながります。

写真3:床の清掃におすすめの清掃道具

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衛生管理用ほうきスクイージー

排水溝の清掃

排水溝の清掃において、一般的にはブラシが下方向にのみ植毛されているデッキブラシがよく使われますが、このようなブラシでは、排水溝の底面しか清掃することができません。これでは、排水溝の側面に付いている汚れやぬめりを除去しにくいため、そこからチョウバエなどの虫が発生する恐れがあります。デッキブラシの向きを変えて清掃することは可能ではありますが、これは効率的な清掃方法とは言えません。

そこで、排水溝を清掃する際は、当社のボトルブラシ、タンクブラシ、ワイドデッキブラシをおすすめします。写真4の通り、この3つのブラシはサイド部分にも植毛がされているため、排水溝の底面と側面の両方を一度に清掃することが可能です。また、それぞれのブラシは幅のサイズが異なるため、排水溝の幅に合わせて、適切なブラシをお選びいただけます。さらに、ワイドデッキブラシは、グレーチングの清掃にもお使いいただくことができます。

写真4:排水溝の清掃におすすめのブラシ

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ボトルブラシタンクブラシワイドデッキブラシ

②誰が清掃するのか

ブラシの選定において、清掃する人の手にフィットしているということも重要なポイントです。例えば、女性従業員が、当社の衛生管理用たわしLサイズをご使用になる際、ブラシが少し大きく、持ちにくいと感じることがあります。このような場合は、ブラシの使いにくさから清掃不良につながってしまいます。また、しっかりと握るために力強くグリップしてしまうことによって、ブラシの劣化が早まると同時に、毛が抜けるというリスクが高まります。そのため、清掃する人に合わせたブラシを選定することが大切です。手の小さい方が当社の衛生管理用たわしをご使用になる場合は、Mサイズを選定することをおすすめします。

写真5:手の大きさに合わせてサイズを変更

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衛生管理用たわし

③色分け

衛生区、非衛生区の清掃において、全て同じ色のブラシを使用されていませんか?非衛生区での清掃に使用したブラシを誤って衛生区でも使用してしまうと、逆に汚れが広がってしまいます。そのため、衛生区には青色のブラシ、非衛生区には赤色のブラシというように、目的に応じてブラシを色分けをしましょう。そうすることで、クロスコンタミネーション(交差汚染)を防ぐことができます。

また、写真6のように製造工程ごとに色分けされたブラシを使用することによって、万が一、ブラシの異物混入が発生した場合に、混入場所を追跡調査することができます。特に異物混入のリスクが高い工程においては、当社の金属検出器対応バーキンタシリーズのブラシをご使用いただくと、追跡調査だけではなく、異物混入のリスクを最小限に抑えることができます。その他、アレルゲン管理、ハラール対応といった観点からも、ブラシの色分けが有効です。

写真6:製造工程ごとのブラシ色分け例

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バーキュートプラスシリーズバーキンタシリーズ

④どんな汚れか

汚れに応じて、ブラシの毛の硬さを変えるということも重要なポイントです。なぜなら、こびり付いた汚れに対して、毛腰の柔らかいブラシを使用すると、十分に汚れを取ることができないからです。汚れを取るためにブラッシングし続けると、ブラシの毛が抜けやすくなり、異物混入のリスクが高まります。したがって、こびり付いた汚れの洗浄には、毛腰の硬いブラシの使用をおすすめします。ただし、こびり付いた汚れでも、泡洗浄や熱湯をかけたことにより汚れが浮いた場合は、毛腰の柔らかいブラシでも除去できるため、状況に合わせてブラシを選定してください。

また、床の清掃において、食材の汚れを取り除く場合は毛腰の硬いブラシを、粉の汚れを取り除く場合は毛腰の柔らかいブラシを選定することをおすすめします。なぜなら、毛腰の硬いブラシでは粉が舞ってしまい、十分に清掃できない恐れがあるからです。したがって、汚れの状態に合わせてブラシの硬さを選びましょう。

⑤作業環境

作業環境に適したブラシを使用していますか?環境に合ったブラシを選定できていない場合、異物混入が発生する恐れがあります。例えば、シーラーの清掃において、シーラーの圧着部分は200℃近くまで温度が上がるため、シーラーの温度に対応したブラシを使用しなければ、ブラシの毛が抜けやすくなったり、ブラシが溶けて付着する恐れがあります。よって、作業環境(耐熱性・耐薬品性など)に合わせて、ブラシを選定することが大切です。

シーラーの清掃においては、当社のミゾッコブラシPPS Iタイプをおすすめします。耐熱温度が200℃であり、直線構造でブラシが植毛されているため、高温となるシーラーを効率良く清掃することができます。

写真7:ミゾッコブラシPPS Iタイプ

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ミゾッコブラシPPS Iタイプ

また、シーラーだけでなく、ベルトコンベアーの清掃においても、環境に合わせたブラシの選定ができていない場合、汚れからカビや虫が発生し、異物混入のリスクを高めてしまいます。そこで、お使いいただけるのが当社のロールブラシです(写真8)。このブラシは、ベルトコンベアーを外さずとも稼働しながらベルトの表裏を洗浄することができ、カビや内部発生虫を防ぐことができます。頻繫に清掃を行うことが難しい箇所の清掃には、このような人の手をあまり必要としないブラシが有効です。

写真8:ベルトコンベアーの洗浄に適したロールブラシ耐熱タイプ

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ロジスブラックシステムブラシ耐熱タイプロジスブラックシステムブラシ耐熱スパイラルタイプ

まとめ

今回は、食品工場の清掃に欠かかすことのできない衛生管理用ブラシについて、その選定ポイントをご紹介しました。適切なブラシを選定できていなければ、清掃効果の低下や清掃時間が増加するだけでなく、逆に汚れを広げたり、異物混入が発生したりする危険性があります。正しくブラシを選定することで、このようなリスクを発生させないようにしましょう。

次回後編では、ブラシの正しい使い方と保管方法についてご説明します。こちらもぜひご覧ください。

 

*保証値ではなく、測定値です。

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