プロ用たわしの効果的な使用箇所! ~バーテックのたわし、そのこだわりを徹底解説~

プロ用たわしの効果的な使用箇所! ~バーテックのたわし、そのこだわりを徹底解説~

おなじみの道具「たわし」。その長所は、
・手になじみやすい。
・角や隅にも対応する。
です。
一方、デメリットとしては、毛が引っかかり抜けることが挙げられます。
そこで今回は、
(1) 当社のたわしの引張強度を強くする工夫。
(2) 抜けリスクを少なくする使用方法
を紹介します。

たわしの長所を最大限に生かし、気持ちよく洗浄をしていただければと思います。

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当社たわしのこだわり、2つのポイント

平線加工

当社のたわしは、10年前まで写真1のように、ワイヤーに丸線を使用していました。しかし、丸線の場合、たわしをはさむ際に点ではさむことになるため(下の右図を参照ください)引張強度が弱くなります。結果として、食品工場で使われる中でしばしば毛が抜けるというお声を頂戴しました。たわしのような、ワイヤーで毛を挟み込むタイプのブラシは、毛が抜けるとそれが異物混入の原因となるだけでなく、何本か抜けるとその近くから毛がぼろぼろと抜け使い物にならなくなってしまいます。

そのようなお声を受け、改良に着手することとなりました。まず第一に、円状のたわしにしました。たわしは、カーブのきつい先端部が抜けやすいため、円にすれば抜けにくくなるのではと考えました。ところが、円状にすると今度は使い勝手が悪いという声が多く不評でした。そこで、次に当社のパワーブラシに使っている平線を使えば抜けにくくなるのではという考えました。こうしてできたのが写真2の平線加工による現製品です。平線加工よって毛の抜けにくさが飛躍的に向上しました。現在では当社衛生管理用ブラシの人気製品です。

PBT製(ポリブチレンテレフタレート)

市販のたわしは、PP製やナイロン製のものが多いです。しかし当社では衛生管理用ブラシにはPBTを採用しています。PBTはPPやナイロンよりも高価ですが、耐熱温度が高いというメリットを高く評価したためです。当社たわしの耐熱温度は140度です。耐熱温度が高いことにより、以下2点のメリットがあります。

・高温で使用後の鍋などの清掃に使用可能
・熱湯殺菌、オートクレーブ*1による滅菌が可能となる

食品工場様では、高温となる装置や器具が多数あります。また、器具の管理として熱湯殺菌を行う場合があります。さらに、一般的に医療用に使われるオートクレーブを、より確実な品質管理を行うために使用している工場様もいらっしゃいます。このように、高温環境下にたえられることが食品工場用の器具として重要な要素となります。以上の理由から、当社ブラシには耐熱性の高いPBTを採用しています。

製品動画

比較実験:たわしの抜けにくさを他社と比べてみると

さて、当社のたわしは平線加工をすることにより、従来に比べて飛躍的に抜けにくい構造となりました。そこで、抜けにくさを検証するため他社たわしとの比較試験を行いました。比較する製品は以下の基準で選びました。

・食品工場用のたわしである。
・線径(線の太さ)が、当社のたわしと同じものである。

試験方法

(1)試験機関:当社

(2)検体
①バーキュート たわしMサイズハード(PBT, 線径5)
②A社製たわし(PP, 線径5)
③B社製たわし(PBT, 線径5)

(3)試験機 :今田製作所製引張試験機(型番SW-55c-20M)

(4)試験方法 : 検体二個それぞれ任意の五点を引張り、N=10として平均値及び99%信頼区間*2を算出することで、ばらつきをふまえた引張強度の範囲を明らかにする。

試験結果

平均値(N) 標準偏差 99%信頼区間(N)
当社たわしMサイズハード 20.9 3.2 17.6~24.1
A社製たわし 17.8 3.5 16.9~21.4
B社製たわし 6.7 1.9 4.7~8.7

※測定値は、小数点第二位を四捨五入して算出。
試験結果より、当社たわしは食品工場用カテゴリの他社たわしと比べても抜けにくさの点で勝っていることが言えます。また、測定値について10Nとは、手で引っ張って簡単に抜ける程度の引張強度です。食品工場用をうたっているたわしでも10N程度で抜ける場合があります。この結果に疑いを持たれる方は是非とも当社のブラシをご自身の手で引っ張っていただき、簡単には抜けないことを確かめていただければと思います。当社たわしのラインナップについては、商品ページをご覧ください。

 

たわし、使っていい場所とだめな場所

ここまで見てきたように、当社たわしは、

・平線加工により抜けにくい構造となり、他社製品と比較しても抜けにくい製品である
・PBTを使用することにより高温となる器具の洗浄、熱湯消毒、オートクレーブによる滅菌が可能

という強みがあることを紹介しました。最後に、この強みを生かすことのできる清掃場所。反対に、抜けリスクに注意する場所を紹介します。

たわしの使用が適している場所

①バットやシンクなどの角

たわしは小型で小回りが利くため、バットやシンクのような角の清掃によく使われます。写真のように、手にフィットして角にしっかりと適応するので、こうした場所をストレスなく清掃することが可能です。

②網目やまな板

たわしは、手になじみやすくかつ適度な硬さがあることから、下記写真のような網目状の器具やまな板の清掃にも適しています。特に、網目には汚れがこびりついていることが多いのですが、たわしを用いることによりきめ細やかな清掃が可能となります。

たわしの抜けに注意する場所:機械の隙間

当社たわしの抜けにくい工夫について紹介しました。しかし、抜けにくいとはいえ、当社のたわしの強度は20N程度です。通常の使用によって抜けるリスクが低い一方、一旦引っかかると抜けるリスクが大きくなります。特に、機械の隙間の使用には注意する必要があります。

 

機械の隙間は、最も清掃が難しい場所として多くの食品工場でお困りの場所です。たわしは手にフィットして隙間に入り込みやすく便利であるため、こういった機械の隙間にも使われることが多いです。しかし、機器には様々な部品や凹凸があることから、その分ブラシが引っかかるリスクが高くなってしまいます。こうした機器の隙間には、よりコンパクトで毛の密度の高いミゾッコブラシを使用することが望ましいです。

>ミゾッコブラシの製品ページはこちら

当社たわしの特長と、推奨使用箇所並びに注意点について紹介しました。手になじみやすく、適度な硬さがあることできめ細やかな清掃に適しているたわしですが、是非とも一度手に取ってご使用ください。皆様の衛生管理、異物対策に少しでもお役に立つことを願っています。

衛生管理用たわし

 


*1 高温・高圧の蒸気により滅菌を行う装置。
*2 99%信頼区間とは、同じような試験を100回行った際に、平均値が99回はこの範囲にあるということを示すもの。

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