その衛生管理用ブラシの使い方は正しいですか?選定、使用、保管方法について【後編】

その衛生管理用ブラシの使い方は正しいですか?選定、使用、保管方法について【後編】

食品工場の清掃において、衛生管理用ブラシは欠かせません。しかし、ブラシの使い方に誤りがあると、清掃効果の低下や清掃時間の増加、異物混入リスク増大の恐れがあります。そこで今回は、前編で正しいブラシの選定について、後編ではブラシの適切な使い方と保管方法について解説します。

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使い方

ブラシの適切な使い方について、3つのポイントをご紹介します。

①ブラシの先端で洗浄

清掃する際に、ブラシを強く押し付けて使用していませんか?ブラシの正しい使い方は、毛の先端を汚れに当てて洗浄することです(図1)。しかし、落ちにくい汚れに対してブラシを強く押し付けてしまうと、毛の側面が汚れをさすることになるため、汚れが落ちにくくなると同時に、洗浄時間が伸びてしまいます。また、必要以上に力強くブラシを握ることで毛が劣化しやすくなり、異物混入のリスクが高まります。

図1:ブラシの使い方の違い

落ちにくい汚れがある場合は、泡洗浄後やお湯をかけてからブラッシングすることで、より効果的に洗浄することができます(動画1)。

動画1:泡洗浄とブラシの併用

 

しかし、しつこい汚れを除去するために、どうしてもブラシの毛を強く押し付けて洗浄したい場合もあるかと思います。そのような場合は、当社の短柄ブラシ(ハードタイプ)、長柄ブラシ(ハードタイプ)、ボードブラシのような毛腰の硬いブラシのご使用をおすすめします(写真1)。

写真1:当社の毛腰の硬いブラシ

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短柄ブラシ長柄ブラシボードブラシ

これらの毛腰の硬いブラシは、押し付けて使用しても毛の先端が汚れにあたるため、効果的に汚れを落とすことができます。

②たわしを強く握りすぎない

たわしを強く握ると、毛先を使って汚れを落とせないため、洗浄に時間がかかります。また、たわしに対して強い力がかかることで、毛の劣化が早くなってしまいます。そのため、たわしをご使用の際には、やさしく握って清掃することが重要です。

③刃物部分やつなぎ目の清掃には「目視確認+バーキンタ」

スライサーなどの刃物部分や金網などのつなぎ目におけるブラシ清掃は、切れ毛や、引っ張られたことによる脱毛が発生する恐れがあります。そのため、ブラシの異物混入を防ぐには、目視で確認することが重要です。また、このような異物混入リスクの高い場所に関しては、当社のバーキンタシリーズのご使用をおすすめします。このブラシの毛は金属検出器に反応する材質であるため、万が一の混入を後工程の金属検出器で発見することができます。ただし、製造されている食品の種類や検出器の設定によっては検出することができない場合があるため、バーキンタシリーズ導入後も目視での確認が必要です。

写真2:当社の金属検出器対応「バーキンタ」シリーズ

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金属検出器対応「バーキンタシリーズ」

管理方法

ブラシの使い方だけでなく、ブラシの管理においても、正しく行わなければせっかくの清掃が逆効果となり、汚染を広げてしまう場合があります。そのため、ここからは、ブラシの適切な保管方法と交換時期についてご説明します。

ブラシは乾燥させる

清掃後はどのようにブラシを洗浄し、管理をしていますか?洗剤を入れたバケツの中にブラシを漬け置きし、放置していないでしょうか。漬け置きしたままブラシを乾かさない場合、二次汚染が発生してしまう恐れがあります。あくまで洗剤は泡を立てて汚れを浮き上がらせるものであるため、菌自体はバケツの中に残っています。特に、殺菌効果のない洗剤をお使いの場合は、バケツから取り出したブラシをそのまま乾かさずに使ってしまうと、繫殖した菌を広げてしまうことになります。

図2は、ブラシ漬け置き後に洗って乾燥させた場合と、漬け置き後にブラシを乾燥させなかった場合の、汚染度(ATP検査によるRLU値)について実験した結果です。

図2:ATP検査による試験結果

 

バーテックブラシのRLU値の基準値は、「食品に直接触れる場所を洗浄・清掃するブラシは、500RLU以下が適切」としておりますが、図2の結果から分かるように、漬け置き後に乾燥させなかった場合は、基準値を超える結果が出ています。したがって、ブラシ洗浄後は、必ず乾燥をさせましょう。

それでは、ブラシを乾燥させるにあたって、どのような点に注意すればよいのでしょうか。食品工場では、清掃道具の保管場所としてロッカーを使用されていることがありますが、ドアを閉めたロッカー内部は湿気がたまり、菌が発生しやすくなります。その上、残渣がたまりやすいので、虫が発生しやすい状態でもあります。そのため、ブラシを保管する際は、できる限りロッカーを使用しないようにしましょう。もしロッカーをすぐに撤去することができない場合は、ドアの部分を外し、少しでも通気性を確保することが大切です。

ブラシを乾燥させるための理想的な保管方法は、写真3のようにラックに吊り下げ保管をすることです。ブラシの毛を壁と反対側に向けておくことで通気性が良くなり、乾燥しやすくなります。このように吊り下げて保管することで、湿気による菌の増殖を防ぎ、ブラシを清潔に保ちましょう。

写真3:ブラシは吊り下げて保管

定位置定数管理

吊り下げ保管をする上で、写真4のようにブラシの名称を記載しておくことで、どのようなブラシが何本あるのかを明確にすることができます。保管場所が分かりやすくなることで、ブラシの使用間違いによるクロスコンタミネーション(交差汚染)を防ぐことができます。

写真4:定位置定数管理

交換状態、交換時期の明確化

ブラシは、毛の開いた状態・劣化した状態が交換のタイミングですが、具体的にどのような状態かを明確にしておかなければ、基準が曖昧になってしまいます。また、曖昧な状態で管理している場合、工場の繫忙期にはブラシの管理に手が回らず、劣化したブラシを使い続けてしまう恐れもあります。劣化した状態のブラシでは、毛の先端での清掃ができず、清掃不良や清掃時間の増加、異物混入リスクの増大につながるため、交換状態と交換時期を明確にし、適切なタイミングで必ずブラシを交換できる仕組みをつくることが重要です。交換の具体的な仕組みづくりについては、以下のポイントをご参照ください。

①交換状態を示す

劣化したブラシを撮影し、ブラシの管理場所にその写真を掲載することをおすすめします(写真5)。このようにすることで、人によって交換状態の認識が異なるということを防ぐことができます。

写真5:交換状態を明確にする

②交換時期を示す

ブラシの劣化は目視では確認できない場合があるため、劣化の有無にかかわらず、予め交換期日を設定することも有効です。その交換期日をブラシの管理場所に掲示しておくことで、交換するタイミングが誰でもわかるようになります。また、交換忘れを防ぐために、交換サイクルごとにブラシを色分けすることもおすすめします(図3)。

図3:交換サイクルごとのブラシ色分け例

工場によっては、ブラシの交換時期に、担当者様がまとめてブラシを回収することもあるかと思いますが、様々な業務を抱える中で、ブラシの管理にまで手が回らないという方もいらっしゃると思います。そのような方には、当社の定期購買サービスをご提案します(*1)。こちらのサービスでは、ご注文の際に必要な商品個数と出荷時期をご指定いただくことで、当社から適切なタイミングで商品を出荷します。そのため、このサービスをご利用いただくと、交換時期を逃すリスクや担当者様が商品を発注する手間を減らすことができます。さらには、予め商品を注文しておくことで、欠品のリスクを最小限に抑えることにもつながります。

まとめ

衛生管理用ブラシを使用する上で、適切な選定・使用ができていなければ、その能力が発揮できず、清掃にかかる時間も大幅に増加してしまいます。また、正しく保管できていなければ、ブラシの汚染につながり、菌を広げることにもなりかねません。適切なブラシを正しい使い方と保管方法で運用し、ブラシ本来の効果を発揮させて、工場全体の衛生管理の質を高めていきましょう。

自社工場に適したブラシの選定・使い方・保管方法について、もっと具体的に知りたいという方には、当社の食品工場スマイルプロジェクトがおすすめです。食品工場スマイルプロジェクトでは、HACCPリーダー資格(*2)をもつ清掃ブラシのプロが、お客様のご要望や問題点をお伺いします。現場に合った最適なブラシや、清掃道具の管理方法、防虫対策などをご提案することで、品質・生産性の向上に貢献します。さらには、現場の従業員様も含めたワークショップや勉強会も行い、従業員様の衛生意識や働きがいの向上にまでアプローチをすることで、食品工場で働く皆様が笑顔になるお手伝いをさせていただきます。

「食品工場スマイルプロジェクト」の詳細は、以下のページをご覧ください。
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*1 定期購買サービスのご提供につきましては、条件を設定しております。詳しくは、お問合せください。お問合せはこちら

*2 HACCPリーダーとは
厚生省通知・平成9年2月3日 総合衛生管理製造過程の承認制度に係る「HACCPシステムについて相当程度の知識を持つと認められる者」のに準じた講習を受講し、HACCPからFSSCまで衛生管理のサポートができる資格です。

 

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