各種山菜の水煮加工や缶詰・パック製品の製造・販売
山菜を洗う機械は、凹凸やネジなど、洗いにくいところが たくさんあります。
でも2種類のバーキュートブラシを使い分けると全部きれいに洗えます。
ヤマサン食品工業株式会社 様
山菜水煮を主力商品とする加工食品メーカーのヤマサン食品工業は、工場内の製造機械の清掃にバーキュートブラシを活用している。バーキュートブラシを採用した経緯と使用感について、研究開発室 主任川渕照久氏に詳しく聞いた。
Q)ヤマサン食品工業の業態について教えてください。
ヤマサン食品工業は、竹の子、ぜんまいなどの「山菜水煮」を主力商品とする、加工食品製造メーカーです。富山本社の他、営業所が全国4カ所あり、全国各地のスーパーマーケット、食品問屋、卸売り市場などが販売先です。水煮の製造は本社に併設された工場で行っています。
当社工場では、作業現場の衛生管理はもちろんのこと、専用の洗浄機や金属探知機等で異物混入を防ぐなど、万全の体制で安全な商品を製造しています。
2003年には、農薬などの化学物質に頼らないで自然界の力で生産された原料を使用し、厳しいルールを守って製造される有機JAS商品の加工業者としての認定を取得しました。
Q)ヤマサン食品工業では、バーテックのブラシをどのように使っていますか?
ヤマサン食品工業では、2007年2月より、2種類のバーキュートブラシを山菜水煮の製造工程で使用する機械の洗浄に用いています。
何種類かある機械の中でも一番洗浄がしにくいのは山菜を洗浄する機械です。山菜洗浄機は全長4メートルほどの大きな機械で、複数のパートに分かれ、それぞれに違う装置がついていて複雑な形をしています。ローラーやタンクなど凹凸がある部分には台が自在に曲がる「フレックスブラシ」、脇についているネジ、小さな部品、網など細かい箇所には「歯ブラシ型ブラシ」と、洗浄箇所の形態に合わせ1台につき2種類のバーキュートブラシを使用しています。
山菜を洗う機会は、凹凸が多く複雑な形で洗いにくい
Q)「有機JAS」とはどのようなものですか?
有機JAS基準では、化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用が規制されています。器具や設備の洗浄においても強い薬剤は使えません。施設設備の清掃は、強い薬剤などに頼るのではなく、清掃を徹底することによって行わなければなりません。
そのため、毎日作業後に1つの機械につき3名の担当者が丁寧に洗浄を行っています。清掃の徹底は、他の原料との混合を避ける有機JAS基準の重要なポイントです。
Q)洗浄用ブラシはどのように探したのですか?
我々研究開発室のメンバーは、情報収集のため食品関係の展示会に参加しています。そこでカタログやサンプルを入手、あるいは工場用設備機器のカタログを見て探していました。
Q)バーキュートブラシを知ったのはいつですか?
2006年6月に東京ビックサイトで行われた展示会でバーテックのブースに立ち寄りバーキュートブラシを知りました。バーキュートブラシの「サンプルセット」を頂き、まず研究室で使ってみたところ、機能性に優れており耐久性もあったので工場で使ってみることにしました。
他の会社のサンプルは、小さいブラシ一つだけという場合も多いのですが、バーテックのサンプルは何種類も入っているので使用目的ごとに複数のブラシで使い心地を確認することができました。
Q)ヤマサン食品工業では、これまで機械洗浄用にどのようなブラシを使っていましたか?
これまでは、亀の子たわしやステンレス製のたわしも使っていました。しかしそれぞれに欠点がありました。
Q)どのような欠点があったのでしょうか?
亀の子たわしの欠点は、まず耐久性がないこと。強くこするとすぐに摩耗します。最低でも1ヶ月に1回は取り替えないといけませんでした。そして毛が抜けやすいことも問題でした。
ステンレス製たわしの一番の欠点は、怪我をしやすいことです。細いワイヤー状のステンレスは切れやすく、怪我をする危険性があります。工場内ではバンドエイドなどの絆創膏の使用は好ましくなく、傷口や絆創膏の血液で食中毒菌等が繁殖する可能性もあります。
さらに、ステンレス製たわしは、使用しているうちに手がかさかさになると作業員から報告をうけています。
作業性、耐久性にすぐれた適当なブラシがないので、作業員が自分で使いやすいと思うブラシをホームセンターなどで購入して、工場に持ち込んで使用することもありました。しかし、作業員が私物を持ち込むことは衛生管理上好ましくありません。
Q)ヤマサン食品工業が、HACCPに基づく衛生管理体制を行うようになったのはなぜですか?
昭和3年の創業以来、ヤマサン食品工業では「安心、安全」をモットーに万全の管理を行ってきました。しかし昨今、食品業界全体に対するイメージの失墜で、これまで以上に、工場における管理体制をもっとお客様にわかりやすい形にする必要性を感じ、国際的に認められたHACCP方式の導入を検討しています。機械の衛生を保つための清掃用ブラシの選定も、HACCPの考え方に基づいて行うことにしました。
具体的には、HACCP(危害分析及び重要管理点)に基づく衛生管理体制として、全ての工程において危害を予測し、その危害を防止するための重要管理点を特定してモニタリングを行い、問題があればすぐに解決しています。
Q)ヤマサン食品工業が求める機械洗浄用ブラシの基準についてお聞かせください。
ヤマサン食品工業が求める機械洗浄用ブラシの基準は以下の4つです。
第一の基準 「耐久性」
清掃を徹底するためにはどうしてもブラシを持つ手に力が入ります。激しい使用にも耐えられる耐久性を求めます。
第二の基準「毛が抜けにくい」
洗浄用ブラシの毛が抜けて製品に混入することは、製造過程で起こり得るリスクの一つです。抜けにくいものを使用することで、そのリスクを軽減させながらしっかりとした清掃できるブラシが求められます。
第三の基準「手頃な大きさ」
ヤマサン食品工業の作業員は、9割が女性です。女性の小さな手でも扱いやすいブラシであることが求められます。大きなブラシは手がすぐに疲れるので作業効率が落ちます。
第四の基準「衛生管理のしやすさ」
清掃に使用したブラシは、食品工場で一般的に使用されている次亜塩素酸ナトリウム水溶液につけ込んで殺菌を行っています。この際、木などの天然素材のものは腐食が起きやすく、衛生管理が困難なので避けたいと考えています。塩素に強く、腐食も起きない材質のブラシが求められます。
Q)作業員の方はバーキュートブラシについてどんな感想をお持ちですか?
作業員からは以下のような報告を受けています。
「バーキュートブラシは手にちょうどいい大きさなので扱いやすい」
「前より清掃作業が楽になった」
「ブラシが使いやすいので清掃に積極的になった」
「これまで手が届きにくかった細かいところまでしっかり洗えるようになった」
「毛が抜けにくいので、ゴシゴシ洗える」
ぜんまい水煮製造の作業風景
Q)バーキュートブラシのサンプルを使ってみて、良いと思った点をお聞かせください。
サンプルを使ってすぐに確認できたバーキュートブラシの良い点は以下の3つです。
①「洗浄力」があること。
これまで10往復ぐらいしないと落とせない汚れを2~3往復で落とすことができました。
②掃除しにくかったところの汚れも落とせること。
フレックスブラシは、角ばっているところも曲線になっているところも形状に合わせることができて、これまで洗いにくかった箇所の汚れもしっかり落とすことができます。また、歯ブラシ型ブラシはねじ山などの小さい溝の部分でもきれいに清掃できます。
③カラーバリエーション。
赤、黄色、青などのはっきりした色は、万が一毛が抜けても簡単に検査で摘出できます。また、衛生レベルに合わせて、例えば前処理エリアは赤、包装エリアは緑というようにブラシの色を使い分けることができると思いました。また色の種類が多いので、食材の色と見分けがつき易いものを選択することができました。
「山菜と同じ色のブラシだと万が一毛が抜けた時に見分けられません」と川渕氏
サンプルを工場で約半年使用した結果、バーキュートブラシがこれまでのブラシの中で最もヤマサン食品工業の基準を満たしていました。また、防虫、防鼠の委託先がバーテックのブラシを取り扱っていて入手がしやすいこともあり、バーキュートブラシを全ての機械の洗浄用ブラシとして採用することにしました。2007年2月のことです。
Q)衛生管理用たわしの他に、特に優れていると思われるバーテックのブラシはありますか。
サンプル品としてバーテックが提供してくれている衛生管理用ほうき ステンレス柄付きセットです。複数の現場で使ってみているのですが、とても使い勝手が良いとの声が多く、本格的に導入しようと考えています。
Q)バーキュートブラシを本格使用してみて、評価する点を教えてください。
当初の予想通り、バーキュートブラシはヤマサン食品工業が求めるブラシの基準を満たしています。最も評価すべき点は耐久性です。購入して半年経っているブラシでもまだ使用できます。以前使っていたたわし等は1ヶ月もちませんでしたから、比べると6倍以上の耐久性があることになります。
また、ブラシの土台が白いので、ブラシそのものの汚れがすぐわかります。衛生管理がしやすいということも評価できる点です。
Q)バーテックへの今後の期待をお聞かせください。
今後もヤマサン食品工業は安心、安全な食品作りを行っていきますので、バーテックにはそのサポーターとしての役割を期待します。今使用しているバーキュートブラシは2種類だけですが、今後は種類も増やし、色分けもしていきたいと思っています。バーテックは、現場の声を聞きながら独自に商品開発をしているとのことですが、今後は更に開発を重ねラインナップを充実させていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。
取材日時 2007年11月
取材・執筆 カスタマワイズ
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ヤマサン食品工業株式会社 様
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