指定文化財施設へのブラシ取付事例
【指定文化財への防虫対策用ブラシ設置事例】長野・無量寺旧阿弥陀堂:コウモリ駆除で文化財を守る
西光山無量寺
長野県伊那市で800年近い歴史のあるお寺「西光山無量寺」。1728年に建てられた旧阿弥陀堂は、箕輪町指定有形文化財でありながら、コウモリの糞被害に悩まされていました。
長野県伊那市で800年近い歴史のあるお寺「西光山無量寺」。1728年に建てられた旧阿弥陀堂は、箕輪町指定有形文化財でありながら、コウモリの糞被害に悩まされていました。
問題点
お堂では、天井にぶら下がるコウモリの姿が何度か目撃されており、糞もお堂の内外両方で確認されていました。そこで、コウモリの専門家である「かわほりプリベント」の山岸様へ、箕輪町の教育委員会からコウモリ対策の相談が入りました。
▲確認されたコウモリの糞
原因特定
無量寺のご住職、檀家総代、箕輪町教育委員会、山岸様で集まって現地確認の後、赤外線暗視センサーカメラを設置して事前調査を実施しました。
2週間ほど事前調査の結果、屋根やドア、壁の穴など、コウモリが出入りしている隙間を特定できました。侵入頻度についても、毎日侵入しているのではないということが確認できたので、コウモリがいないタイミングを見計らい、侵入防止工事を行うことを決定しました。
▲赤外線暗視センサーカメラを用いた事前調査を行なった
解決方法の選定
次に行ったのが、隙間を埋める資材の選定です。ここで問題となったのが、扉の周辺の隙間です。ただの隙間であれば、木材を加工して埋めることになりますが、この方法では扉の開閉に支障をきたすことが一目瞭然でした。木材以外で、見た目が目立たず、扉の開閉に影響がなく、コウモリの侵入防止ができる、これらの条件を満たす資材が必要となりました。
そこで、白羽の矢が立ったのが、バーテックのドア用ブラシでした。バーテックのブラシはこれらの条件を満たしており、さらに家庭用の雨戸シャッターへのコウモリ対策では実績もありました。自動ドアの隙間対策ブラシは、山岸様にもよく取り扱っていただいていました。ただ、今回のような文化財で、古くて歪みもある木製の扉周辺に取り付けられるのかどうかが不透明であり、仕上がりにも不安があったため、山岸様よりご相談をいただく流れとなりました。
相談を受けたバーテックの営業担当者は、施工箇所の状態や条件を細かくヒアリングした上で、施工可能であることを確認し、ドア周辺はバーテックのブラシで隙間を埋めていくことが決定しました。
解決策の実行
対応した営業担当者は「文化財IPMコーディネーター」の資格を持ち、博物館や美術館への防虫ブラシ施工の経験も豊富であったため、今回の指定文化財へのブラシの取り付けについて、過去の施工事例を元に提案をしました。
以下は、文化財へのブラシ取り付けにかかる一般的な手順です。
手順1:まず詳しい調査を行うこと。特に対策する範囲をしっかり把握すること。
手順2:文化財の種類によって許可を行う自治体が異なるので確認すること。
手順3:許可を受けるにあたり、詳細な対策計画の資料を提出する。
手順4:計画については、対象施設の利用状況、コウモリの生息状況、文化財の保全などを考慮すること。
手順5:ブラシの取り付けにあたっては、部材が目立たないように丁寧に施工すること。できるかぎり外観を損なわないことも重要である。
本件では、上記手順に加え、ドア周りなどの目立つ場所は木材で隠すなど、建物に馴染むように配慮し、真鍮や銅釘を使用するなどの工夫も提案しました。
▲木製扉にできている隙間と施行中の様子
リスクの払拭
山岸様は、ご住職、檀家総代、箕輪町教育委員会と丁寧に打ち合わせを行い、旧阿弥陀堂への防虫ブラシや穴埋め材取り付けの許可を得ました。施工は、文化財を毀損しないよう、さらに元の美観を損なわないよう、細心の注意を払って行われました。木材、ブラシ、穴埋めネットなどを、屋根間、ドア、壁、柱、床など施工対象や隙間に合わせて使い分け、コウモリの侵入経路となっている隙間を徹底的に塞ぎました。
▲木製扉にできている隙間と施行中の様子
効果検証
施工後は、夜間カメラと超音波検査でコウモリの侵入がないことを確認し、完了報告書類を提出し、作業完了となりました。仕上がりについても、木製扉に取り付けても違和感なく施工できており、今回の対策立案者であり、工事の責任者であった山岸様からもご満足のお言葉をいただいています。
▲施工後に超音波検査で侵入がないかを確認した
まとめ
この事例は、指定文化財であっても、適切な手順を踏み、配慮を施せば、防虫ブラシやその他の防除製品の取り付けが可能であることを証明したものです。山岸様は、バーテックと連携することで、ユーザー、駆除業者、メーカーが一丸となり、貴重な文化財を守り、未来につなぐという使命感を持ってプロジェクトを進めておられ、今回の事例もその一例としてご紹介させていただきました。
また、今回被害を出していたコウモリは、「キクガシラコウモリ」という種類のコウモリであったということで、本来洞窟などに住んでいますが、稀に人工建造物をねぐらとして利用することがあるそうです。お堂の中は日中でも暗いので、洞窟のように感じ、出入りしていたのかもしれないとのことでした。歴史のあるお寺では、今回のお堂と同じような環境で貴重な文化財が安置、保管されていて、リスクを抱えているケースは少なくないと考えられます。文化財への防虫対策は、ぜひバーテックへご相談・ご依頼ください。
かわほりプリベント 山岸様について
かわほりプリベント 代表 山岸淳一氏
長野県塩尻市生まれ、松本市在住。保健所、ペストコントロール企業を経て、現在は野生動物や有害生物の対策を専門におこなう、かわほりプリベント代表。この他に複数の企業で技術顧問を務める。
コウモリが好きで、友人や家族からは「コウモリ馬鹿」と呼ばれている。真っ暗な森の中でコウモリの生息調査をしたり、コウモリの出す超音波の波形を眺めるのが趣味。コウモリの住宅被害を減らす製品の研究開発に力を入れており、人間とコウモリが良い関係で共存できることを目指している。
株式会社バーテックとは、ネズミ対策の共同研究や新しい製品の開発で協力関係にある。
▼かわほりプリベントへのお問合せ窓口
電話でお問合せ 090-9668-1975 (10:00~21:00 土日祝OK)
メールでお問合せ contact@kawahoriprevent.jp
※通常24時間以内に返信しております。返信がない場合は、メール不着などが考えられます。その場合はお手数ですが、お電話かラインでご連絡ください。
LINEでお問合せ ラインID:kawahoriprevent
- 導入製品
西光山無量寺
無料ダウンロード
害虫侵入を未然に防ぎ安心できる環境をつくる
生産性や働きがい向上に
つながるブラシの活用事例5選
高いレベルでの品質管理・衛生管理を実現するためには、防虫・防鼠対策は必須施策です。バーテック製品による工場や店舗の現場改善事例を集めました。