受託粉体加工

防虫対策のひとつとして導入したバーテックのブラシには、高い防虫効果がありました。

株式会社喜多村 古川工場 様

株式会社喜多村 古川工場 様

原材料を粉の状態に粉砕、加工して納品および販売している株式会社喜多村 古川工場では、工場内の食品棟の各作業部屋ごとに、扉の異物混入を防止するバーテック製品「バーカットフレックスシステム」を導入しています。そこで今回は、「バーカットフレックスシステム」を導入するに至った経緯やその評価について、ペストコントロール事業を行う株式会社テイソートヨカの奥田様も交えて、株式会社喜多村の重澤様、水口様に話を伺いました。(以下、敬称略)

株式会社喜多村の主な業態を教えてください。

重澤:株式会社喜多村は、受託粉体加工とフッ素樹脂製造を行っている、1972年の創業の会社です。

受託粉体加工とは、お客様からお預かりした材料を、ご希望のサイズの粉状にしてお返しする業務で、一方、フッ素樹脂加工は、弊社で購入した原料を粉に加工して販売する業務となっております。これらはいずれも、100台を超える最新鋭の粉砕設備と、弊社が培ってきた粉体加工技術を用いて行われます。

事業所はふたつございまして、ひとつは、今回取材にお越しいただいた岐阜県飛騨市にある古川工場。こちらは主な業態である受託粉体加工、フッ素樹脂製造の両方を行っております。
そしてもうひとつは、愛知県東郷町の本社工場。こちらは住宅街に居を構えていて、大きな音が出る粉砕機が使えないため、受託粉体加工のみ行っています。

水口:粉体加工はニッチな業界で、また粉体加工と一口に言っても、冷凍や乾式など、その内容によって棲み分けされておりますが、生産能力、製品の多さ、またシェアにつきましては、業界トップを獲得させていただいております。
ちなみに弊社では、乾いたものを粉体加工する作業……いわゆる乾式粉砕を専門として取り扱っております。

重澤氏(写真左)と水口氏(写真右)。

業務の際に、気をつけていることはなんでしょう。

水口:出来るだけクリーンな環境で作業を行うことです。

弊社では化成品や食品を取り扱っております。そのため、お客様同士の粉が交じり合うこと(クロスコンタミ)は、絶対にやってはいけないことなんです。
こういった事態が起きないように、常に意識を高めると共に、ひとつの製品はひとつの部屋で区切って行うようにしたり、作業ごとの分解洗浄をネジ一本一本まで行うなど、「クロスコンタミ」を起こさない決まり事を作り、徹底しています。

その他、異物混入の危険性を極力減らすべく、汚い部屋、ごちゃごちゃした部屋で作業を行わないよう、全社を挙げて「5S」という取り組みを行っています。

工場外観と作業部屋。いずれも無駄なものが一切なく、綺麗に清掃、整理されている。

「5S」とはどのようなものなのでしょうか?

重澤:「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾」の5つの「S」に、組織として取り組むことで、施設を綺麗な状態を保つだけでなく、作業の効率化や無駄の削減を図る活動です。

弊社では、定位置管理を行うことで無駄なものを失くしたり、日々の清掃をしっかり行うことで異物混入の危険性を減らすことを目的に、社長が先頭を切って2014年に取り組みを開始しました。

「5Sへの取り組みは、弊社のホームページにも随時詳細を掲載しています」と重澤氏。

「5Sへの取り組みは、弊社のホームページにも随時詳細を掲載しています」と重澤氏。

重澤:最も力を入れているのは「定位置管理」です。
例えば、床に掃除機の大きさに囲ったテープを貼ったり、ウレタンにペンやハサミの形に穴を開けて、清掃道具や備品を使ったら必ずその位置、その穴に戻すようにしているんです。

本来あるべき場所に、なにも機材や備品が無ければ、誰かが持ち出しているということが分かりますし、使い終わった後、しっかり戻すことができます。
また、いつまでも戻らない場合は、見つけるまで探すということを繰り返し徹底しています。

それに併せて、これまで個人管理だったペンなどの備品を、すべて社内の共有管理としました。

また社内で行う月に一度の月例会で、部門ごとに5Sの改善例の発表も行っています。

活動スタートから2年が経ちましたが、どんな効果がありましたか?

水口:物を無駄に買わなくなりました。
これまでは、ペンなどの安価なものなら、見当たらない場合、新しいものを補充していました。マジックや鉛筆、消しゴムなどの備品も、いたるところに放置されていました。
それが、使ったら元の場所に戻すという行為を徹底することで、物がなくならないので、大きな節約になりました。

お恥ずかしい話ですが、最初に私の机を「5S」したら、ボールペンが10本くらい出てきました(笑)。

「定位置管理を行うようになってから、無駄は大きく減りましたね」と水口氏。

重澤:また、原材料がこぼれた時に、すぐに掃除機で吸引するようになりました。
弊社は原材料として粉を扱っていますので、すぐに吸引するようになったことで、より異物混入の可能性は減ったと思います。

ゴミ捨てやトイレ掃除が当番制にも変わりました。
工場長だろうが部長だろうが関係なく、全員で分担するようになり、5Sそのものに対する皆の意識が高まりました。

意識が変わった具体的なエピソードはありますか?

水口:私生活にも5Sで得た成功例を取り入れたりしています。
車庫の道具とか、今までは端っこに適当に置いていたのが、今は綺麗に壁に掛かって並んでいます(笑)。

仕事上だけでなく、家の中でも5Sをやってみようと思うということは、ものを扱うことに対して、意識、考え方が大きく変わったんだなと感じました。

5Sを社内に徹底させる上で、工夫したことがあればお教えください。

重澤:5Sの活動を徹底させる「5S委員会」と発足すると共に、「5Sパトロール」と称して、委員会が工場を回って、定位置管理が行われていなかったり、清掃が出来ていない箇所に赤札を貼っていくようにしました。

さらに月例会議で、さぼり何件、指摘箇所何件と、各部門に指摘するようにしたんです。

指摘された内容を、社員それぞれが考え、改善していくことで、初年度は月に20から30件くらいあった赤札が、今では月1件くらいに減りました。

また、5Sを進める上で、社長が「誰にでも見せられる会社にする」という目標を掲げました。
入口に5Sの改善事例を掲示したり、工場内のブースを見学可能にしたりと、工場の「見える化」、「テーマパーク化」を行いました。その結果、工場見学されたお客様からは、「しっかりやられていますね」と大変高い評価をいただいています。

水口:その他ですと、地元企業と5Sの交流も行うようにもなりました。
近くの薬品関係の工場さんと、お互いの工場を視察し合って、弊社の取り組みの参考にしたり、視察先の良いところを取り入れたりもしていることも、良い結果が出ている一因だと思います。

テーマパークのように、5Sを始めとする様々な取り組みが見える化された工場入口。

バーテックの「バーカットフレックスシステム」を導入するに至った経緯を教えてください。

重澤:弊社では、月に一度、食品の改善会議を行っています。

その会議で、現状の問題点を挙げると共に、半期で6件の改善を行うという目標を掲げました。

この6件の中に「扉の防虫対策」という課題があって、改善のために各作業部屋の扉にバーテックさんのブラシを取り付けようという話になったんです。

そこで、防虫対策のコンサルタントであるテイソートヨカさんを通して「バーカットフレックスシステム」を導入しました。

これが2013年頃ですね。

「古川工場は山奥にあるので、虫の侵入防止は大きな課題でした」と重澤氏。

バーテックの防虫ブラシは、導入以前からご存知だったのですか?

重澤:はい。 毎年一度、テイソートヨカさんに行っていただいている防虫講習を受けているので すが、その中で、防虫用のブラシとして、バーテックさんの「バーカットフレックスシ ステム」を紹介されていたので、覚えていました。

防虫ブラシの取り付けは、自社で行ったのでしょうか?

水口:はい。 バーテックさんや、テイソートヨカさんのアドバイスを聞いて、弊社のスタッフで行いました。

防虫ブラシは何箇所の扉に取り付けたのですか?

水口:現在は、食品棟の扉5箇所に付けています。

取り付けの際に、苦労はありましたか?

水口:アドバイスもあったので、特に問題はありませんでした。

ただ、扉がアルミ製なら簡単なのですが、ステンレス製の扉は非常に硬いため、特別な工具を使ってもなかなか穴が開きませんでした。そこは少し大変でしたね。

工場の通用口の下部に取り付けられた「バーカットフレックスシステム」。

工場内の各作業室の扉は引き戸なので、下部と側面にもブラシを取り付けた。

「バーカットフレックスシステム」導入から3年近くが経過しましたが、効果はいかがですか?

重澤:もちろんありました。
ただ、いくつもの防虫対策を同時に行っているので、防虫ブラシの効果だけで「これだけ虫が減った」とは、なかなか言えないところもありますね。

「データ上からも、バーテックさんの防虫ブラシはしっかり防虫効果を果たしていると言えますね」とテイソートヨカ・奥田氏。

ちなみに「バーカットフレックスシステム」の導入以外には、どのような対策を行ったのでしょう?
水口:工場に空いている穴や隙間を物理的に埋めたり、シートシャッターを取り付けて開閉時間を短くしたり、防虫フィルムを取り付けたり、照明を普通の電球より虫が寄ってこないLEDに変えたりしました。

奥田 : 対策後、搬入部分で捕獲された虫の数は、例年のデータでは夏場で300~500匹ほどだったのが、今では清浄区域は夏場で10匹以下、冬場なら5匹以下となっています。
工場は、自然豊かな山奥にあり、虫が発生し外部からの侵入が起きやすい環境です。防虫ブラシ以外の対策による効果ももちろんあると思いますが、そんな環境の中で、これだけ虫の侵入を防げているということは、防虫ブラシはその機能を十分に果たしていると思います。

今後も「バーカットフレックスシステム」は使っていきたいとお考えですか?

水口:はい。使っていきたいと思います。
実は既に昨年、ブラシがヘタって来ていたので、付け替えて使っているんですよ。

重澤:また今後はさらに、現在の食品棟だけでなく、化成棟の扉7箇所への導入も考えています。

テイソートヨカでは、バーテックのブラシをどのように評価していますか?

奥田:侵入してくる虫をバリアしてくれるという点では良いツールですし、自信を持っておすすめできる製品です。

「クロスコンタミ」を未然に防ぐという面でも、防虫ブラシを導入して良かったです」と水口氏。

今後、バーテックへの要望はありますか?

重澤:掃除機の吸口に付ける丸いブラシは扱ってないでしょうか?

今使っている純正品のブラシは、清掃中に毛が抜けてしまうんですよ。また、床掃除用とそれより上の箇所を掃除する用途とで、ブラシの毛の色を変えて使い分けたいなとも考えています。

ですので、掃除していて毛が抜けないもの、色が選べるものがあると嬉しいですね。

「掃除機のメーカーと型番は、また後ほどお伝えさせていただきます」と重澤氏。

弊社・平岡より
掃除機用のブラシは特注品にはなるのですが、ご用意させていただけます。
色についても、5色ご用意がありますので、ぜひご相談ください。

奥田:バーテックさんの良さは、会社として常に切磋琢磨していらっしゃるところですよね。
かつては、ブラシの色や種類が1種類だけしかなかったのに、顧客のニーズや現場の声を積極的に聞いて、ブラシの色を増やしたり、角度を変えた種類を作ったりと、どんどん製品を改善されており、本当にフットワークが軽いですし、良いものを意識しながら作ってる会社だと思います。

重澤:それは弊社でも感じています。
化成棟の扉用のブラシ、掃除機用のブラシを含めて、今後もお付き合いさせていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

写真左から、テイソートヨカ・奥田様、弊社・平岡、弊社・末松、水口様、重澤様。

営業担当より一言

お忙しいところ、インタビューさせていただき、ありがとうございました。
今後もお客様のニーズにお応えできるような製品づくりを行っていきますので、たくさんのご要望をお待ちしております。今後とも宜しくお願い致します。

お忙しい中、ありがとうございました。

取材日時 2016年2月
取材・執筆 カスタマワイズ

導入製品

株式会社喜多村 古川工場 様

株式会社喜多村は、愛知県東郷町と岐阜県飛騨市に工場を持つ、1972年設立の会社です。1968年、株式会社喜多村の前身である北村商店の頃に、受託粉体加工とフッ素樹脂製造を始めて以来、45年に渡って「材料の粉砕」にこだわって事業を展開。現在では、1万2000種以上の実績、94%の受注継続率を誇るに至りました。

所在地:岐阜県飛騨市古川町畦畑280
創業年月:1972年(昭和47年)5月1日
従業員数:135名
Webサイト:http://www.kitamuraltd.jp/
株式会社喜多村 古川工場 様

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