サーバの熱暴走を抑える効果的な方法は? 熱暴走の原因と具体的なデメリットも解説

サーバの熱暴走を抑える効果的な方法は? 熱暴走の原因と具体的なデメリットも解説

サーバの熱暴走は、運用コストの増大やシステムダウンなどを引き起こす可能性があります。熱暴走を防ぐには、日頃から空気の循環効率改善や清掃、室温などに気を配り、対策しておくことが重要です。今回の記事では、サーバが熱暴走する原因や具体的な対策を解説します。

サーバーにとって熱暴走は大敵

サーバーに限らず、半導体など精密部品を扱う機械にとって「熱」は天敵です。パソコンや扇風機など、機械製品を一定時間使うと、モーター部分などが熱くなるのを感じることもあるでしょう。

とくに、サーバーが過剰に熱を持ち「熱暴走」を起こしてしまうと、以下のトラブルの原因になりかねません。

● 機械の寿命を縮める
● 運用コストの増大にもつながる

機械の寿命を縮める

サーバーの熱暴走は、機械の寿命を縮める原因になります。サーバーに限らず、電子部品は熱に弱いです。熱に弱い電子部品が熱暴走を起こすとサーバーにダメージを与え、最悪の場合、システムダウンのような不具合を発生させるリスクが高まります。エラーの発生リスクを抱えたままサーバーを使い続ければ、徐々に機械の寿命も短くなるでしょう。

運用コストの増大にもつながる

機械の故障までは引き起こさなくても、運用コストの増大にはつながる恐れがあります。基本的にサーバーのような機械内部には、放熱するための「冷却ファン」などの仕組みが組み込まれています。しかし熱暴走が発生すると、過剰な熱を冷ましきれなくなり冷却効率が低下するため、運用コストを増大させる可能性が高いです。電気代などの冷却コストが膨らむことは、自社にとっても負担となります。

サーバーダウンや火災など重篤な被害を引き起こす可能性もある

サーバーが熱を持ったとしても「本体が熱い」「運用コストが膨らんだ」程度であれば、まだ対処の仕方はあるかもしれません。しかし上記で解説したように、熱暴走を放置するとサーバーダウンが発生し、会社のシステムに多大な影響を与えるケースもあります。サーバーダウンが発生すれば、以下のようなトラブルが引き起こされるでしょう。
● 自社のサービスが止まる
● 必要なデータにアクセスできない
● クライアントとの取り引きが止まる
● データが消える

最悪の場合、サーバーが物理的に高温に耐えきれず火災を発生させることもあります。システムへのダメージや火災が発生すれば自社への影響は甚大であるため、熱暴走を事前に防止することが重要です。

サーバーが熱暴走する原因

サーバーが熱暴走してしまう原因として、主に以下の4点が挙げられます。
● 空気の循環効率が悪い
● 冷却ファンや空調自体に異常が発生している
● サーバールームの温度が適切ではない
● サーバールームを局所的にしか冷却できていない

空気の循環効率が悪い

「空気の循環効率の悪さ」は、熱暴走の原因になります。サーバー内部には、溜まった熱を放出するための冷却ファンが設置されています。
冷却ファンが稼働することで、熱を外に放出して温度を下げているのです。しかし「サーバーにホコリが詰まる」「空気が循環しにくい室内のレイアウトになっている」などの要因が重なると、効率よく排熱できず機械内部に熱が溜まってしまいます。

冷却ファンや空調自体に異常が発生している

サーバーの熱を冷ますには、冷却ファンや空調機が必要です。しかし、冷却ファンや空調機自体に異常が発生すると、放熱する力が弱まり熱暴走を引き起こす可能性が高まります。

冷却ファンや空調機の異常としては、例えば以下が挙げられます。
● 劣化によって送風機の威力が弱まっている
● 故障によって作動していない

サーバールームの温度が適正ではない

サーバールームの温度が適正範囲外となることも熱暴走の原因となります。目安として、室内の温度が「18℃〜27℃」の間となるように調節しましょう。
参照:建築コスト管理システム研究所

サーバールームを局所的にしか冷却できていない

サーバールームを冷却するために「天井吊り型の空調機」を利用している企業もあるでしょう。天井吊り下げ型であれば床のスペースを無駄にしないため、「サーバーをフルで設置したい」という点においては魅力的です。しかし天井吊り下げ型の空調機は、サーバールーム内を局所的にしか冷却できないため、一部分に熱が溜まる可能性もあります。とくに天井が低い場合、空気の循環効率はさらに低下するでしょう。

有効的なサーバーの熱暴走対策

上記のように、サーバーが熱暴走する原因としては「空気の循環効率の悪さ」「冷却設備の故障」など、さまざまなものが挙げられます。熱暴走を放置すると、サーバーダウンや火災など大きな被害を引き起こすこともあるため、事前の防止が欠かせません。

熱暴走を防止するには「コンテインメント」という方法が有効的です。

コンテインメントを使用することで熱暴走を対策できる

コンテインメントとは、もともと「封じ込め・包み込む」という意味で使われる単語です。サーバーについての文脈上では「空調効率を改善する仕組み」という意味合いで使用されています。

コンテインメントでは、データセンター内にあるサーバールームのラックを物理的に密閉し、「冷たい空気」「熱い空気」を分離することで冷却効率を改善します。

コンテインメントの方法は以下の2つに分類可能です。
● コールドアイルコンテインメント
ラックの吸気側を密閉することで、空調機から送り込まれた冷気を閉じ込めて冷却する方法
● ホットアイルコンテインメント
ラックの排気側を密閉し、サーバーから排熱された熱気を冷却設備で冷却する方法

コンテインメントのメリット

コンテインメントのメリットとしては「ホットスポット(熱が1箇所に溜まる地点)の発生を防いで熱暴走を阻止できる」という点が挙げられます。

コンテインメントでは「冷たい空気」「熱い空気」を分離するため、温度の違う空気が混ざるのを防ぎ、効率的にサーバーの熱を冷ませます。熱い空気が機械の吸気側に溜まることも防止できるため、サーバーに熱が溜まりません。

効率的にサーバの熱を冷却できるため、省エネ効果も期待できます。ただし、コンテインメントを導入しただけでは、省エネ効果を完全には引き出せません。コンテインメントを導入し、空調の設定温度を上げることで省エネにつなげられます。

コンテインメントの効果を高めるにはバーテックのブラシがおすすめ

コンテインメントの効果を高めるには、専用ブラシを使うことも効果的です。ブラシといっても、ホコリを取るための一般的なブラシではありません。コールドアイルとホットアイルにおける圧力差を調節できるブラシのことを指します。

コールドアイル内部・ホットアイル内部に圧力差が発生した場合、冷却ファンの回転数が増えて故障を引き起こすケースがあります。しかし、バーテックのヒートシャット・ブラシのような専用ブラシを取り付ければ、空気の流れと圧力を同時にコントロール可能です。

以下のフォームに必要事項をご記入いただければ、「ブラシの取り付け前後による違い」を解析した資料が閲覧できます。

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また、バーテックのヒート・シャットブラシは「ビス止めフレーム」「差し込みフレーム」という種類があるため、自社のサーバーラックの形状に応じて使い分けができる点も便利です。ブラシ自体も、化学反応による燃焼が発生しにくい素材で作られているため、サーバーの熱暴走を防ぐ手段としてオススメです。

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コンテインメントの効果的な活用が熱暴走の防止につながる

サーバーの熱暴走は、空気の循環効率や室内の温度、空調機の故障など、さまざまな原因によって引き起こされます。サーバーの熱を放置すると熱暴走につながり、最悪の場合はシステムダウンや火災につながるリスクもあるため、日頃から防止策を実行することが重要です。サーバーの熱暴走を防止するには、コンテインメントの導入も効果的です。コンテインメントの効果を一層引き出すには、バーテックのヒートシャット・ブラシのように、専用ブラシの活用も検討しましょう。

ビス止めフレーム

差し込みフレーム

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<<参考サイト>>
https://www.tekwind.co.jp/column/entry_45.php
https://atmarkit.itmedia.co.jp/fsys/kaisetsu/039heatproblem/heatproblem.html
https://www.apiste.co.jp/contents/technical_note/technical/electronic_parts/heat.html
https://capacitor.jp/blog-entry-144.html
https://linuc.org/study/knowledge/451/
https://www.4900.co.jp/smarticle/12224/#%E5%86%B7%E5%8D%B4%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%B8%B8

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「冷却」ではなく「排熱」するために、ブラシが空気の流れをコントロールすることを示した解析資料です。

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