サーバーの冷却方法とは? 重要なデータを守るために必要な対策法を紹介!

サーバーの冷却方法とは? 重要なデータを守るために必要な対策法を紹介!

サーバーは熱に弱く、十分に冷却しないと故障や製品寿命を縮める原因になります。サーバーを効率的に冷却するには、サーバーラックやサーバールームの空気をコントロールし、局所に溜まった熱を排出することが大切です。本記事では、サーバーの冷却方法や冷却時のポイントについて詳しく解説します。

 

サーバーの冷却方法とは? 重要なデータを守るために必要な対策法を紹介!

サーバーは熱に弱く、高温の状態が続くと故障の原因になったり、製品寿命に影響したりします。重要なデータが保存されているサーバーを安全に管理するには、サーバーを冷却することが大切です。本記事では、サーバーの発熱によるリスクやサーバー・サーバールームの冷却方法、冷却する際のポイントなどについて解説していきます。

 

サーバーが発熱する理由

まずは、サーバーが発熱する理由について解説していきます。

 

サーバー内の部品が発熱している

サーバーの発熱は、内部の部品の発熱によって引き起こされます。サーバーに組み込まれているCPUは、半導体や金属でできた部品が入っていおり、電流が流れると部品や配線が持つ電気抵抗によって熱が発生するのです。サーバーを稼働させている以上、少なからずサーバーは発熱してしまいます。

 

サーバーの高性能化により発熱量が増えている

近年、サーバーの高性能化によって発熱量が増加しています。CPUの性能が上がったことにより、CPU1個あたりの処理量が増え、CPUの温度上昇が大きくなったのが主な要因です。さらにサーバーも小型化され、1つのサーバーラックに多くのサーバーを収納できるようになりました。それによりサーバーラック内の発熱量も増加し、サーバーをいかに効率よく冷却するかが大きな課題となっています。

 

サーバーの発熱によるリスク

サーバーなどの電子機器は熱に弱く、高温の状態が続くとさまざまなリスクを引き起こします。次はサーバーの発熱によるリスクについて解説していきましょう。

 

サーバーの製品寿命が短くなる

サーバーに組み込まれている半導体や電子部品は熱に対して弱く、高温状態が続くと製品寿命が短くなるリスクがあります。半導体の温度ストレスによる寿命を予測する「アレニウスの法則」に則ると、環境温度40℃を故障率の基本とした場合、60℃では10倍、80℃では100倍以上になる計算です。また、電子部品の寿命を左右するアルミ電解コンデンサは、周囲温度が10℃上がるごとに寿命が半分になります。サーバーの製品寿命を守るには、サーバーを適切に冷却することが大切です。

 

 ダウンや故障の原因になる

サーバーが熱い状態が続くとダウンや故障の原因になります。サーバーには重要な情報やデータが保存されていたり、サービスとつながっていたりするため、サーバーに問題が生じると企業にとって致命的な損失にもなりかねません。重要な情報やデータを安全に守ったり、サービスを安定的に供給するにはサーバーを適切な環境下で管理することが大切です。

 

サーバーを冷却する方法

サーバールームの空調装置だけでサーバーを冷却しようとすると、膨大な電力が必要となります。サーバーを効率的に冷却するには、空調装置に加えて空気の流れをつくって排熱と冷却を同時におこなうことが重要です。次はサーバーを冷却する方法について解説していきます。

 

ラック設置型換気扇

ラック設置型換気扇とは、サーバーラックに設置する換気扇のことです。ラック設置型換気扇を設置することによって、ラック内の熱を排出できます。ラック設置型換気扇には、ラックのサイドに設置して横から風を送るタイプと、ラックの下部にサーバーと同じ向きに設置して下から上に空気を循環させるタイプがあります。配線状況によっては上手く空気が循環しない場合もあるので注意しましょう。

 

ラックマウント型クーラー

ラックマウント型クーラーとは、サーバーラック内にスライド収納できるクーラーのことです。サーバーの吸気口部に直接冷気を送れるため、高い冷却効果が期待できます。一方、電源が必要なため設置場所が限られたり、電気代がかさむデメリットもあります。

 

ヒートシャット・ブラシ

ヒートシャット・ブラシとは、効率的な排熱をおこなうために開発されたブラシです。ヒートシャット・ブラシを設置することで冷たい空気(サーバーへの給気)と温かい空気(サーバーからの排気)を分離し、空調装置からの冷気を有効に使えるようになります。

 

サーバールームを冷却する方法

サーバールームを冷却するには、空調装置の冷気を効率的に循環させることが重要です。サーバー周辺はもちろん、部屋全体にも熱対策を施しましょう。次はサーバールームを冷却する方法について解説します。

 

サーバールームの室温は25℃前後に設定する

サーバールームの適切な室温は25℃前後です。部屋を冷やしすぎると結露が発生し、基盤が故障するリスクがあるため、ただ設定温度を下げれば良いわけではありません。また、サーバールームは常に適切な室温を保つことが重要です。休日であってもエアコンを稼働させ、適切な温度を保つようにしましょう。

 

扇風機やサーキュレーターで冷気を循環させる

扇風機やサーキュレーターで空調装置から送られる冷気を循環させるのも効果的です。扇風機やサーキュレーターで空気の流れをつくることで、熱い空気を排出し、冷たい空気をサーバーに届けやすくなります。サーバールームを冷却するには、床下送風型や床置き型の扇風機やサーキュレーターがおすすめです。

 

ビニールカーテンでエアコンの効率を高める

ビニールカーテンを設置し、余分なスペースを狭くすることでエアコンの効率を高められます。設置には専門業者に依頼する必要がありますが、電源不要なので設置後にコストがかかりません。

 

サーバーを冷却する際のポイント

サーバーの熱対策をおこなう際は、以下の3つのポイントをおさえましょう。

 

サーバー周辺の熱を逃す

サーバーを効率的に冷却するには、サーバー周辺の熱を逃すことが大切です。冷気によってサーバーを冷却しようとしても、サーバー周辺に熱がこもっていると上手く冷気が届きません。まずは熱を逃し、冷気を送り込めるように排熱対策をおこなうようにしましょう。

 

部屋全体と局所対策を併用する

サーバーの熱対策では、部屋全体と局所対策を併用することが重要です。部屋全体の熱対策には空調装置による室温の調整や扇風機やサーキュレーターを使って部屋全体の空気を循環させる方法などがあります。一方、局所対策とはサーバー周辺に対する熱対策のことです。ラック設置型換気扇やラックマウント型クーラー、ヒートシャット・ブラシなどの設置により対策がおこなえます。

 

サーバーラック内に空気の流れをつくる

空気が滞っていると熱い空気が局所に溜まってしまい、上手く熱を排出できません。サーバーラック内の熱を効率的に排出するには、空気の流れをつくるよう工夫しましょう。ヒートシャット・ブラシを設置すれば、効率的に排熱がおこなえるよう空気の流れをコントロールしてくれます。

 

ヒートシャット・ブラシのメリット

ヒートシャット・ブラシとは、効率的な排熱をおこなうために開発されたブラシです。サーバーラック内に設置することにより、効率的に排熱がおこなえるよう空気の流れをコントロールする役割があります。次はヒートシャット・ブラシを設置するメリットについて解説していきましょう。

 

省エネ効果が期待できる

ヒートシャット・ブラシを設置することで、冷たい空気(サーバーへの給気)と温かい空気(サーバーからの排気)を分けられます。これにより、排出される高温排気が再度サーバーの吸気に再循環するのを防ぎ、空調装置からの冷気を有効活用することが可能です。また、送風量を減らすことで省エネ効果を期待できます。

 

特別な施工が不要

ヒートシャット・ブラシのフレームはゴム製なので簡単にカットでき、現場での細かなサイズ調整が可能です。さらに差し込みフレームは差し込みでの取り付けが可能なので、穴あけやビス止めせずに設置できます。

 

電源不要

ヒートシャット・ブラシは、サーバーラック内の隙間に設置するだけなので電源が必要ありません。電源の位置を確認する必要もなく、サーバーラックの設置位置に関係なく導入できます。電気を使わない点においても省エネにつながるでしょう。

 

まとめ

本記事では、サーバーの発熱によるリスクやサーバー・サーバールームの冷却方法、冷却する際のポイントなどについて解説してきました。サーバーは熱に弱く、高温の状態が続くと故障の原因になったり製品寿命が短くなったりするリスクが高まります。重要なデータや情報を保存するサーバーを安全に管理するには、適切な熱対策をおこないサーバーを冷却することが大切です。ヒートシャット・ブラシなら設置するだけで空気の流れをコントロールし、空調装置の冷却効果を高めてくれます。加えて特別な施工が不要なため、サーバーラックの設置場所やサイズを問わず誰でも簡単に設置可能です。サーバーの冷却にお困りの方は、ヒートシャット・ブラシの設置をご検討ください。

 

 


 

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ヒートシャット®・ブラシ CFD解析資料

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「冷却」ではなく「排熱」するために、ブラシが空気の流れをコントロールすることを示した解析資料です。

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