サーバーの熱対策が必要な理由とは? 排熱をサポートするアイテムを紹介

サーバーを含む電子機器は熱に弱い特徴があります。サーバーを高温の環境で管理していると、故障の原因になったり製品の寿命が縮んだりするおそれがあり対策が必要です。本記事ではサーバーの熱対策が必要な理由や熱対策のポイント、熱対策のアイテムなどについて詳しく解説します。サーバーの熱対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
なぜサーバーは熱くなるのか
まずはサーバーが熱くなる理由について解説していきます。
サーバー内の部品が発熱している
サーバーが熱くなるのは、サーバー内の部品が発熱しているからです。最近は急激なCPUの高性能化により、CPU1個あたりの処理量が増大し、CPUの温度上昇が大きくなっています。適切に排熱がおこなわれないとサーバーラック内の温度が上がり、サーバーの故障や製品寿命の短命化を引き起こすリスクが高まるでしょう。
室温の高い部屋で稼働させている
室温の高い部屋でサーバーを稼働させていると、サーバーを十分に冷却できず熱がこもってしまいます。サーバールームの室温は25℃前後に保ち、高くなりすぎないように注意が必要です。
サーバーの熱対策が必要な理由
サーバーなどの電子機器は熱に弱いため、適切な熱対策をおこなわなければなりません。次はサーバーの熱対策が必要な理由について詳しく解説していきます。
サーバーの製品寿命に影響する
半導体や電子部品は熱に対して弱く、高温の状態が続くと製品寿命に影響する可能性があります。半導体の温度ストレスによる寿命を予測する「アレニウスの法則」に則ると、環境温度40℃を故障率の基本とした場合、60℃では10倍、80℃では100倍以上になる計算です。また、電子部品の寿命を左右するアルミ電解コンデンサは、周囲温度が10℃上がるごとに寿命が半分になります。製品寿命を守るためには、サーバーを適切な温度下で管理することが重要です。
ダウンや故障の原因になることも
サーバーの排熱が十分におこなわれていないと、ダウンや故障の原因になることもあります。サーバーには重要なデータや情報が保存されていたり、さまざまなサービスとつながっていたりするので、サーバーがダウンしてしまうと企業の致命的な損失にもなりかねません。企業の損失を防ぐためにも適切な熱対策をおこないましょう。
サーバーの熱対策のポイント
サーバーを効率的に冷却するには、室温を下げるだけでは不十分です。次はサーバーの熱対策における3つのポイントについて解説します。
サーバールームの室温は25℃前後に設定する
サーバールームの適切な室温は25℃前後です。部屋を冷やしすぎると結露が発生し、基盤が故障するリスクがあるため、部屋を冷やせば良いわけではありません。また、サーバールームは常に適切な室温を保つことが重要です。休日であってもエアコンを稼働させ、適切な温度を保つようにしましょう。
サーバー周辺の熱を逃す
サーバーを効率的に冷却するには、サーバー周辺の熱を逃すことが重要です。熱対策をしていないとサーバー周辺に熱がこもり、サーバーを十分に冷却できません。冷たい空気が入るようにサーバー周辺の熱を逃す対策をおこないましょう。
サーバーラック内に空気の流れをつくる
サーバールーム全体を冷却しても、サーバーに周辺に熱がこもっていては意味がありません。サーバーを効率的に冷却するには、サーバーラック内に空気の流れをつくりましょう。空気の流れを考慮してサーバーラックや空調設備を設置したり、コールドアイルとホットアイルを分けるよう対策をおこなうことが大切です。
サーバーの熱対策アイテム
重要な情報やデータを保存しているサーバーを熱から守るには、適切な熱対策をおこなうことが重要です。次はサーバーの熱対策アイテムについて解説していきます。設置環境や規模に応じて適切な方法を導入しましょう。
扇風機・サーキュレーター
扇風機やサーキュレーターを使って冷風を送ることで、サーバールームに空気の流れをつくれます。サーバー周辺の熱を逃し、冷たい空気をサーバーまで届けることが可能です。サーバールーム全体を冷却するには、床下送風型や床置き型の扇風機やサーキュレーターが適しています。
ラック設置型換気扇
ラック設置型換気扇とは、サーバーラックに設置することでラック内の熱を排出させるための換気扇のことです。サーバーラックのサイドと下部に設置するものがあり、サイドは横から風を流し、下部はサーバーと同じ向きに設置することでラック内の空気を下から上に循環させる役割があります。配線の状況によっては十分に換気できないこともあるので注意しましょう。
ラックマウント型クーラー
ラックマウント型クーラーとは、サーバーラック内にスライド収納ができるクーラーのことです。サーバーの吸気部を冷却することで、サーバーの温度上昇を防ぐ役割があります。ピンポイントで冷気を送れるので、フロア空調のみによる冷却よりも温度上昇を抑えられるのがメリットです。一方、電源が必要なため設置場所が限られたり、電気代がかさむデメリットもあります。
ビニールカーテン
ビニールカーテンでサーバーラック間を仕切り、余分なスペースを狭くすることで効率よくサーバールームを冷却できます。設置には専門業者に依頼する必要がありますが、電源不要なので設置後にコストがかからないのはメリットと言えるでしょう。
ヒートシャット・ブラシ
ヒートシャット・ブラシとは、効率的な排熱をおこなうために開発されたブラシです。ヒートシャット・ブラシを設置することで冷たい空気(サーバーへの給気)と温かい空気(サーバーからの排気)を分離し、空調装置からの冷気を有効に使えるようになります。また、空調装置の送風量も減るため、省エネにもつながります。
ヒートシャット・ブラシのメリット
サーバーを安全に管理するには、空調システムによってサーバーを十分に冷却することが重要です。しかし、空調システムを稼働させるには相当の電力が必要となります。消費電力削減とサーバーの冷却を同時に実現するには、ヒートシャット・ブラシがおすすめです。最後にヒートシャット・ブラシのメリットについて解説します。
省エネ効果を期待できる
ヒートシャット・ブラシを設置することで、冷たい空気(サーバーへの給気)と温かい空気(サーバーからの排気)を分けられます。これにより、排出される高温排気が再度サーバーの吸気に再循環するのを防ぎ、空調装置からの冷気を有効活用することが可能です。また、送風量を減らすことで省エネ効果を期待できます。
特別な施工が不要
ヒートシャット・ブラシのフレームはゴム製なので簡単にカットでき、現場での細かなサイズ調整が可能です。さらに差し込みフレームは差し込みでの取り付けが可能なので、穴あけやビス止めせずに設置できます。
電源不要
ヒートシャット・ブラシは、サーバーラック内の隙間に設置するだけなので電源が必要ありません。電源の位置を確認する必要もなく、サーバーラックの設置位置に関係なく導入できます。電気を使わない点においても省エネにつながるでしょう。
まとめ
本記事では、サーバーの排熱の必要性や熱対策について解説してきました。サーバーは熱に弱く、高温の状態が続くと故障の原因になったり、製品寿命に影響したりします。重要なデータや情報を保存しているサーバーを安全に管理するには、熱対策をおこないましょう。ヒートシャット・ブラシなら設置するだけで空気の流れをつくり、空調装置の冷却効果を高めてくれます。加えて特別な施工や電源が不要なため、誰でも簡単に設置可能です。サーバーの熱対策には、ヒートシャット・ブラシの設置をご検討ください。
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