魚の切り身・加工商品の製造・販売
47年間、食品業界に携わりましたが、バーテックの 隙間対策ブラシのような製品があるとは知りませんでした。
即断即決し、取り付けたその日から効果が上がっています。
株式会社ショクザイ 様
大手食材宅配サービス、学校給食、老人健康保険施設向けに魚の切り身・加工商品を手がけている株式会社ショクザイ。バーテックが出展した展示会での思いがけない出会いをきっかけに、「ドアドアムシヘル・コパイバ」や「バーカット」のドア隙間対策用ブラシを導入し、工場内の異物混入対策をされています。バーテック製品を導入した経緯、製品の評価、導入効果について、取締役社長 志村様、業務課長 河畑様、品質管理課八木様に詳しく伺いました。
Q)株式会社ショクザイについて教えてください。
弊社会長の三上嘉彦が1969年に創業し、みなさまのおかげで今年創業49年目を迎えました。会長の三上は、大手食材宅配サービスのヨシケイの創業者でもあり、ヨシケイのビジネスモデルを作った人物です。そのような経緯もあり、ショクザイは、ヨシケイに魚の切り身や加工食品を提供しています。
またショクザイでは、静岡、神奈川、埼玉、新潟、長野、広島、福岡の学校給食に、魚の切り身や加工食品を提供しています。
取締役社長 志村進様
以前は大手食材宅配サービスと学校給食で、売上比率が各50%でしたが、少子高齢化になることもあり、この2つの市場だけでは成長が難しいことが予想されました。そうしますと、次は一般の市場を狙うしかありません。そこで考えた一般市場は、スーパー、居酒屋、外食、パーキングエリア、冷凍弁当屋です。特に冷凍弁当屋は、自分たちでいちいち切り身は作りません。一次加工のメーカーに任せるので、市場の拡大が期待できます。
とはいえ、新規開拓は一筋縄にはいきません。新規のお客様を手厚くフォローする営業体制と、お客様の望む商品開発・生産体制の整備が必要です。商品開発について、以前に大手食品メーカーに在籍していたのでわかるのですが、メーカーは自分の売りたいものを作って売っています。しかし、お客様がその商品が欲しいかはわかりません。このような経験から、ショクザイでは「かゆいところに手が届く」商品の開発・提供を心がけています。
「かゆいところに手が届く商品」とはどういうものかを説明します。かゆい範囲というのは、実は5ミリ四方程度でしかありません。ですのでショクザイは、かゆいところを大きく掻くのではなく、その5ミリ四方の範囲を、つまようじの先でピンポイントに狙うイメージで商品開発しています。
また、お客様に満足いただくだけでは十分ではなく、お客様が感動するような味、値段の提供ができないと、会社は伸びないと考えています。ショクザイは、お客様に感動いただける商品の提供を目指しています。
商品例ですが、ショクザイのある(静岡市)駿河湾では42の漁港があり、マグロのような有名な魚の他に、珍しい魚も少量ですが獲れます。そのような食材を使い、加工して販売する地産地消を行っており、お客様から好評いただいています。
また「まぐろのカツ」といった商品は世の中にあるのですが、マグロのカツに串を刺した「まぐろ串カツ」は、ありそうでありません。ショクザイでは、このような「ありそうでないものを作る」「比べようがないものを商品化する」ことにこだわりをもっています。
まぐろ串カツなど人気の「地産地消」商品
Q)ショクザイでは、「HACCP対応に限りなく近い、衛生的且つ近代的な工場で魚加工の業務を行っております」とのことですが、具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか?
ショクザイは、一般社団法人日本冷凍食品協会の「冷凍食品認定制度」認定工場です。今年は製造装置の年数が経ちましたので、入れ替えを行いました。今後は、食品安全マネジメントの国際規格であるISO22000やHACCPの認定を目指し、より一層お客様に安心いただける安全な水産食品を提供してまいります。
私は22歳から大手食品メーカーに勤め、これまで47年間食品会社に携わり、100以上の食品工場を見ていますが、水産加工食品会社の設備投資が遅れていると感じます。設備投資できない、金属探知機はない、衛生服を着用していないような食品会社もありますが、それでは5年後はもたないと考えます。
ショクザイは段階を踏んで、ナショナルブランドの食品会社で行われているような、先進的な衛生管理に取り組んでいきたいと思います。
Q)衛生管理の教育面で、苦労された点はないでしょうか。また具体的な教育方法を教えてください。
現場の掃除教育に苦労しています。当社には、食品工場の経験が無い方も入社されます。そのような方は、「掃除」といっても、どのように掃除をしてよいかわからず、家と会社の掃除の仕方を同じに考えています。そのため、手の洗い方から教えている状況です。
また教育の課題で、コミュニケーション不足がありました。最近はおとなしくなりましたが、以前の水産会社の現場は、言葉使いが粗い状況でした。「その手の洗い方は何だ」と上司が強い口調で言っても、具体的な洗い方を教えないと部下はわかりません。
そのため、以前は上司と部下で、なかなかうまくコミュニケーションがとれませんでした。
教育課題の解決策の一つとして、専門家に入っていただいています。例えば、洗剤メーカーの人を東京から呼んで講演いただいたり、防虫防鼠の業者や保健所の職員に説明いただいたりしています。私たちは魚の加工に関してはプロですが、消毒やブラシのプロではありません。ですので、その道のプロにアドバイスをいただくことで、社員の耳にすんなり入り、衛生管理に対する意識が変わりました。
また防虫防鼠会社さんが、工場の汚れている箇所の写真を撮り、月に1回社員に説明いただいている活動も効果を上げています。
なお、清掃用具の「利用方法」や「定位置保管」について、バーテックさんに説明いただくことを考えています。プロから説明いただいた方が、説得力があがるので期待しています。
新人教育について、現在は机上教育だけではなく、現場でOJTとして通常業務を行いながら基本から教えてます。とはいえ、机上教育やOJTだけでも右から左になってしまい、なかなか身につきません。そのため新人教育を見直し、紙ベースでチェック項目を設け、これができる・できないといったことを確認します。本人と教育者が点数をつけ、月末に面談を行い、教育者からのフィードバックを行っています。できるところはより伸ばし、できない点を明確化して改善できるよう、教育には力を入れています。
入念に清掃
Q)HACCP取得の予定はいかがでしょうか?
ISO14000, 9000, 22000を取ってからでないと難しいと感じてます。実際に現場で働くパートさんや、専門的な教育を受けていない人が実務を行うので、HACCP取得にあたっては、従業員のレベルをあげないといけません。旗振り役は社長ですが、実務は現場が率先する会社にしないといけないと考えてます。
まずはこのように会社の土台を固め、近い将来にHACCPを取得できるよう目指します。
Q)バーテックのことを知った経緯を教えてください。
2018年2月に東京ビッグサイトで開催された「国際ホテル・レストラン・ショー」という展示会で、バーテックさんを初めて知りました。たまたま、バーテックさんのブースの前を通ったとき、ドア隙間対策用ブラシの「ドアドアムシヘル・コパイバ」が目に飛び込みました。47年も食品業界に携わっていましたが、このような製品があることに気づきませんでした。そこで、私の方からバーテック営業の中川さんに声をかけさせていただきました。
Q)バーテックの営業担当者の対応はいかがでしたでしょうか?
中川さんとは、10~15分ほどの会話でしたが、非常に適切な説明・対応をいただきました。その後の対応も早く、1週間後には弊社のある静岡まで来社いただき工場を見てもらいました。
Q)バーテック製品の導入に至った経緯を教えてください。
中川さんとバーテック製品に一目惚れし、他社の製品とも比較することなく、即断即決でした。現場を見ていただき、その場で3箇所に「ドアドアムシヘル・コパイバ」「バーカット」の設置を即決しました。
食品工場のため、殺虫剤をまくわけにはいきませんので、そもそも虫が来ない対策が必要です。例えば、花の咲く植物を置くと虫が来てしまうので、花を置かないといった「そもそも、虫が入らないシステム」を作るような虫が入らない工夫が重要です。このシステムとして、バーテックの「ドアドアムシヘル・コパイバ」「バーカット」は最適です。
また、工場裏にある川べりを、年間5回、草刈りしています。社員からは、「社長、大変だから除草剤をまいたら」と言われるのですが、工場では井戸水も使っているので、除草剤をまくことはできません。面倒でも草刈り機で刈ります。そうすると、虫も来なくなります。どうやって、虫を来なくさせるかの仕組みを作ることが重要です。
工場裏の風景
Q)バーテック製品を導入される前の状況を教えてください。
また、今後のバーテックに望むことは?
扉の開閉回数を少なくするといった対策を行っていました。
といいますのも、「開閉時間を短くする」という対策が防虫会社の見解でした。私たちも「閉まっていれば虫は入ってこない」「虫が入るのは扉を開けたとき」と考えていました。まさか、閉まっている扉の隙間から虫が入ってくるとは思わず、バーテックさんから指摘を受けて、目から鱗が落ちました。
Q)バーテック製品の導入効果を教えてください。
魚の加工の際に残渣が発生する箇所は、においが発生し、虫を誘引しやすいため二重扉にしています。ですが、その二重扉が完全に閉まっておらず隙間があったことが盲点でした。毎月確認の際、補虫紙に虫が付いていましたが、その原因を探っていったところ、二重扉に隙間があることが判明しました。このように隙間対策が必要でしたので、2018年3月末に「ドアドアムシヘル・コパイバ」「バーカット」を付けました。
具体的な効果ですが、5月までは虫が少なく、6月・7月が虫の多い時期となります。そのため、これから定量検査を行い(注:取材は2018年6月)、前年の数値と比較し、効果検証したいと考えています。定量調査前のため、感覚的な導入効果となりますが、モニタリングの補虫数も少なく、顕著に効果が出ていると感じています。今後の定量調査で、減少傾向を数値化できることを楽しみにしています。
またバーテックさんの製品を知る前は、エアカーテンの設置も考えましたが、バーテックさんのおかげで費用対効果の優れた対策を取ることができ感謝しています。
Q)現場の反応はいかがでしょうか?
扉に「ドアドアムシヘル・コパイバ」や「バーカット」を付けても、扉の開閉は重くならずこれまでと変わらないので、「ドアドアムシヘル・コパイバ」や「バーカット」が付いたと気づいた社員は少ないかと思います。「虫の侵入が減ったけど、なぜだろう」と現場は思っているのではないでしょうか。「ドアドアムシヘル・コパイバ」や「バーカット」は、ショクザイの防虫管理の黒子の役割と言えます。
二重扉下の隙間をシャットアウトした
「ドアドアムシヘル・コパイバ」
扉の開閉負荷は変わらず防虫効果は向上
Q)バーテック製品は、具体的にはどういった部分が良かったでしょうか?
良かった点は4点あります。
1. 開閉の邪魔にならない
先ほども述べましたが、扉に付けても開閉が重くなることがないので、人の出入や製品の搬入搬出で、現場に負担がかかりません。
2. 耐久性があり、コストパフォーマンスに優れている
「ドアドアムシヘル・コパイバ」のすごいところは、床の形状に合わせてブラシ部が上下に動くフレキシブルな構造です。ブラシへの負荷がかからないので、摩耗が少なく耐久性がある製品です。
耐久性があれば、交換回数も少なくなるので、コストパフォーマンスの優れた製品と言えます。
3. 設置が簡単
当社では3箇所の扉に設置しましたが、設置作業は1時間ほどでした。設置したその瞬間から効果が出る製品です。
4. 抜群の防虫効果
定量調査はこれからとなりますが、「ドアドアムシヘル・コパイバ」は、隙間を塞ぎ虫の侵入を抑える物理的効果にプラスして、忌避効果のある「コパイバオイル」を含有しているため化学的な抑制効果もあります。
Q)清掃・防虫用具の選定でお悩みの方へ、先輩企業としてのアドバイスをいただけないでしょうか。
展示会場でお会いするまで、バーテックのことを知りませんでした。静岡には42の漁港があり、水産会社がたくさんあります。ですが、水産業界の衛生管理は、残念ながら遅れています。今回ショクザイでの導入費用は5万円程度で、設備投資に入るようなものでなく備品購入といった感覚です。この程度の費用で、大きな防虫効果を産み出すのですから、衛生管理・防虫に悩んでいる水産会社は、迷うことなくバーテック製品を導入すべきと言えます。弊社が導入した「ドアドアムシヘル・コパイバ」や「バーカット」のように、導入したその日から効果を発揮してくれます。
Q)最後に、ショクザイの今後の展望とバーテックに期待することを教えてください。
現在、バーテックさんの工場診断を受けており、清掃に必要な用具、本数、設置位置を提案いただく予定です。バーテックさんは、厳選された良い製品を開発・販売されていると思います。とはいえ、清掃用具を何十種類導入しても、従業員が付いてこれないので、まずはシンプルに最低限必要な清掃用具を導入して、従業員に定着することを目指しています。
清掃時間が短縮できれば、本来の業務に集中できる時間が増えます。現場の清掃のストレスが下がり、本業の時間が増えることで、会社の変革につながると考えています。
衛生管理の形が作れれば、あとは回していくだけです。よりよい衛生管理の仕組みと現場が運用しやすい体制を築き、より高い衛生管理を目指していきます。その実現のために、バーテックさんとは長くお付き合いできればと思っています。
お忙しい中、ありがとうございました。
取材日時 2018年6月
取材・執筆 カスタマワイズ
- 導入製品
株式会社ショクザイ 様
創業年月:昭和44年7月
従業員数:48名
Webサイト:http://www.kk-shokuzai.com/
ショクザイは、大手食材宅配サービスのヨシケイや、学校給食、老人健康保険施設向けに魚の切り身・加工商品を提供している水産加工食品工場です。近年は、アイデア豊富な志村社長の発案で、駿河湾を拠点とした「地産地消」の水産加工食品を製造・販売し、地元の大ヒット商品となっています。ショクザイは、魚の本当の美味しさ、世界遺産の和食に適した食の追及に日々努力しています。
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