長野県唯一の国立大学病院
診断環境を整え、安心して治療を受けていただくために、 防虫効果の高いバーテックのブラシは欠かせません。
信州大学医学部附属病院 様
信州大学医学部附属病院は、長野県における様々な急性期疾患や難治性疾患に対して高度な診療を確実かつ安全に行い、地域の方々から信頼される質の高い医療の提供に努めています。患者さんが快適に受診できるよう、ドア隙間対策用ブラシ「バーカット」を導入し、病院内への異物侵入対策をされています。
バーテック製品を導入した経緯、製品の評価、導入効果について、感染制御室 副室長 の金井先生、契約係の宮島様、田中様に詳しく伺いました。また、「バーカット」の提案・施工を担当された、かわほりプリベント代表の山岸様にも経緯、導入の効果を伺いました。
Q)金井先生のお仕事について教えてください
金井先生:感染対策を主に担当する医師です。病院には多くの患者さんが入院されています。患者さんの中には免疫が低下した方も多く、耐性菌など、様々な感染症を持つ方もいらっしゃいますので、そのような患者さんの感染対策をしています。また治療においては、内科や外科などの主治医が患者さんを直接診ていますが、主治医から感染症治療の相談を受けるなど、例えるならば「医者から相談をうける医者」のような仕事をしています。
感染制御室 副室長 金井 信一郎 先生
Q)感染制御室の業務ついて教えてください
金井先生:感染制御室は、本院における医療関連の感染予防のため、次の業務を行っております。
・ 感染対策に関する動向調査
・ 感染に関する啓発及び職員研修の企画
・ 感染防止のためのガイドライン・マニュアルの整備
・ 異常な感染症が発生した場合の速やかな調査及び対策、全職員への周知徹底
・ 職員・患者等に対する感染対策に関する広報
・ 地域の医療機関との医療関連対策の連携
感染制御室の歴史ですが、最初にできたのが1999年の7月です。最初は専属の看護師と兼務の医師だけでしたが、2008年にそこに私が専従の医師として業務を始めました。感染制御専従の医師は長野県で私が最初でした。今は医師、看護師だけでなく、薬剤師、検査技師、事務職員で構成されています。
Q)なぜ感染症を選択されたのでしょうか
金井先生:私は最初、検査部で病理診断を専攻していました。当院は他大学と比べて、珍しく臨床検査部門と病理診断部門が一体となっている環境にあり、様々な検査を勉強しました。その中で、特に微生物や感染症の検査に興味をもつようになり、2007年に順天堂大学へ感染制御の研修に出させてもらいました。その際に、感染症の面白さを体感し、感染症を専門とすることにいたしました。
Q)患者さんに対して大事にしていることを教えてください
金井先生:現在の業務では、直接受け持ちの入院患者さんはおらず、どちらかというと病院のスタッフが相手となります。そのため患者さんに対しては、「安心して入院できるような環境を整備する」という縁の下の力持ち、つまり陰で支える役割を担っています。最終的には主治医の先生方と同じで、患者さんには、病気がよくなって帰ってほしいという思いを大事にしています。
病院の中で感染症を発症してしまうと、元々の病気に加え、感染症の治療が必要になってしまい、入院期間も長期化します。また、本来ならかからなくてよかった感染症で最悪、命を落としてしまうということもあり得ます。感染症が起こるということは、患者さんには明らかなデメリットになりますので、そのような事態を防ぐ仕事をしています。
Q)バーテックのことを知った経緯を教えてください。
田中様:当院は、急性期の病院ということもあり、24時間365日、院内に明かりがついています。夜間の患者さんの出入り口は、ガラス張りの自動ドアです。もちろん、人の出入りがない時は、ドアは閉め切られているのですが、実は自動ドアには小さな隙間が生じています。夜間もずっと電気がついていますので、そこから虫が入り込んできます。このようにして侵入した虫が、患者さんに対する不利益を発生させる可能性がありまして、外からの害虫は院内に入らせたくないという気持ちがありました。しかし、自動ドアの隙間から、ある程度の虫が入ってきてしまう。衛生面が重要な病院に虫が侵入するのは問題であるという意識がありました。
契約係 田中 智晃 様
とはいえ、夜間に電気を消すということはできません。このような制約がある中で、様々な対策を検討していたところ、山岸さんからのご紹介によりバーテックに出会いました。
Q)バーテック製品設置前は、どのような状況だったのでしょうか。
田中様:虫の侵入はしばしばありまして、小さな虫やコバエみたいなものから、少し大きいサイズの虫まで入ることもある状況でした。診療を受ける患者さんは、ベッドに横になって治療の受ける方が多くいらっしゃいますが、その状態で近くを虫が徘徊していると非常に嫌な気持ちになったりしますよね。
Q)バーテック製品の導入効果を教えてください。
田中様:患者さんに気持ちよく受診いただけるよう、できるだけ虫の侵入を防ぎたいという観点で、バーテック製品の設置を決めました。実はバーテック製品は、私が当院に配属になる前、臨床栄養部で8、9年前から導入していたようです。栄養部は患者給食を作る部門なので、絶対に虫は入れたくありません。現場確認したところ、バーテックのドア隙間対策用ブラシ「バーカット」は現在でもしっかりとした効果を発揮していました。今回は、そもそもの虫の入り口を遮断したいという観点から、病院の南口に設置しました。また2018年の3月に、包括先進医療棟がオープンしましたが、そこでも自動ドアがガラス張りのため、導入前は虫の発生・侵入がありました。自動ドアを入ってすぐに風除室はあるのですが、風除室を越えて虫が侵入する状況でした。
設置する前は、自動ドアは、開閉部の中心やドアのスライドする部分に少し隙間があり、そこから虫が侵入できる状況でした。そのような箇所にバーカットを付けたことで、虫の侵入は劇的に減りました。
人通りの多い病棟南口
自動ドアの重ね合わせの隙間もシャットアウト
Q)他社製品と比較されなかったのでしょうか。
田中様:山岸さんから、数社のサンプルを見せていただきました。バーカットは、サンプルはもちろん、長年継続して使用している実物がありました。耐久性に優れており、まだ使えると感じるものでした。導入時の懸案として、価格のみで選定し、設置したがほとんど効果がない、すぐに消耗してしまうということが一番避けたい点でした。ですので、価格も大切ではありますが、品質面に関しても重視し、バーテックに決めました。実際バーカットは物持ちがよく、ランニングコストを考慮すると、コストパフォーマンスに優れた製品です。
Q)貴院は公的機関ですので、製品選定は厳しいのではないでしょうか。
宮島様:医療費が年々増加しているため、国の財政は厳しい状況です。そのため、国からいただける補助金も減ってきています。各大学病院は厳しい経営環境にあります。そのような状況のため、費用対効果をしっかり考えないといけません。しかし、単純に安ければいいということではなく、金額と品質のバランスが重要です。その点を踏まえて、今回はバーテックを選定しました。
契約係 主査 宮島 悠 様
Q)バーカットはどちらに設置されたでしょうか。
田中様:包括先進医療棟の北口と南口の2カ所と、臨床栄養部に1カ所と、あとは南口です。南口は先ほどもお話しましたが、夜間、人の往来が激しい場所です。自動ドアの開閉がかなりの回数ありますが、2018年9月にバーカットを設置し、1年以上となりますが、今のところ摩耗を全く感じない状況です。
Q)バーカットを取り付けての感想は?患者さんや職員の反応はいかがでしたでしょうか。
田中様:虫が侵入しなくなったといった声はありますね。一番に気付いていただいたのは金井先生でした。「ここ、ブラシが付いたんだね」と仰っていただきました。
金井先生:最初はバーカットが付いたことに気付かなくて、普通に素通りしていました。違和感がないというのはすごいことですよね。
山岸様:昨日、病院南口の自動ドア付近の看護師長さんと話したのですが、「侵入する虫がかなり減っている」って仰っていました。
田中様:地域医療の中枢を担う拠点として、患者さんにしっかりとした治療を受けてほしい。安心して診療を受けられる環境を提供したい。その点で、防虫対策は重要だと考えます。
自動ドアの横・上からの侵入もシャットアウト
Q)実際に取り付けいただいた山岸様へお伺いします。バーカットの評価はいかがでしょうか。
山岸様:外部侵入の防虫対策には、非常に有効的なアイテムです。私は他の現場を含め、何度も施工を行っております。取り付けを行うと、はっきりと侵入数が減少します。加えて、耐久性も優れているので、提案がとても行いやすいです。ドア周りの防虫対策はご存知の通り、沢山の方法があります。薬剤での駆除、忌避、捕虫器で捕獲するのか、飛来を減らすために光を遮断するフィルムを張ったりなど、多種多様な方法があります。どの対策方法がベストなのか現場の状況に応じて、提案しています。我々害虫駆除従事者(PCO)は効果、費用、耐久性などを踏まえてそのお客様にとって一番良い形になるように提案をしています。その中で、まずは隙間があるドア周りからの侵入を減少させる対策はお客様に理解していただきやすいです。
Q)実際に施工されたご感想はいかがでしょうか。
山岸様:出入りが多いドアでしたので休日に施工日を設定しましたが、それでも人が通るたびに工事を中断せざるを得ないため、この点に苦戦しました。工事自体は、両面テープでの取り付けなので、簡単な微調整で設置することができました。一部、難しい形状のドアもありましたが、事前に営業担当の中川さんに相談して解決策が明確にあったので、現場で困ることなく取り付けすることができました。
バーカットを施工する際には2点の注意点があると私は考えます。施工自体には時間が多くはかかりませんが、本件のような現場状況もあるため充分な工事時間の確保することは大切です。もう1点は取り付け箇所の汚れを除去しないと、両面テープで取り付けを行うバーカットMLAは接着不良を起こす可能があるということです。汚れを除去するための液剤は、接着剤との相性を踏まえ、界面活性剤入りのものを避けてくださいというアドバイスが事前に中川さんからありました。ドア下部は一見綺麗なようでも、頑固な汚れが凹凸状にたくさんあるため、その汚れを除去するのに時間を要します。このひと手間を省き万が一、接着不良を起こし、防虫効果を最大限発揮できないのは不本意です。そのため、私は下準備を大切に考え施工を行っております。
Q)バーテックの営業担当者の対応はいかがでしたでしょうか?
田中様:中川さんには現場にお越しいただき、設置箇所をしっかりとご確認いただきました。サイズを測定し、どういったブラシが適切であるといったことを、メーカーが自ら来てやっていただけるのはありがたいと感じました。バーテックの本社は大阪ですが、遠方にも関わらずお越しいただけることに感謝しています。このような業務をディーラー任せにするメーカーが多いですが、バーテックはしっかりと対応をしていただけます。2回目の現場確認には、末松社長もお越しいただき、バーテックに対する信頼感が増しました。
Q)人の出入りが多い、大型医療機関での防虫対策は非常に難しいのではないでしょうか。
山岸様:医療機関様より害虫の相談を受けた場合、「建物の内部で発生した昆虫の問題なのか」「外部から侵入してきた昆虫の問題なのか」でこれをまず、調査します。病院給食施設などでの内部発生であれば多くの病院で対策が行われているが、外部からの侵入については充分な対策が取られていない現状があると私は思います。
例えば、病院給食施設内であれば、昆虫の侵入防止措置をすることや、昆虫の発生がないか月1回の巡視点検をすることが大量調理施設マニュアルで定められています。これは食の安全という視点から当然であります。しかし、最近は食とは直接関わりのないエリア、待合室やロビーなどの防虫対策の相談が医療機関から増えてきています。これは虫の存在が人間の生活空間に許容されない時代になってきたということなのかもしれません。
そもそも医療機関は清潔、クリーン、「虫がいるはずがない」というイメージがあると思います。大型病院では人や物の出入りが非常に多いです。信州大学病院様の場合、1日約1,500人の外来患者さんが来院します。その上、医学部学生や病院の職員、出入り業者などを含めると数千人が出入りしていることになります。この人達や荷物に付いてくる場合、ドアの開閉時に侵入するなど、虫の侵入のタイミングは多々あります。また、昆虫の多くは光に誘引されます。しかし、急性期の病院では24時間、真夜中でも人の出入りがあるため、光が灯っています。加えて多くの病院で緑化空間が取り入れられています。職場環境や医療環境としては素晴らしい取り組みですが、緑があるということは、当然昆虫にとっても心地が良い空間になります。
このように病院は虫が寄ってくる、侵入する条件が整っています。病院の稼働時間、緑化と防虫管理は、大きな施設になればなるほど、難しい案件に感じています。防虫対策が困難な現実と、病院に虫などいるはずがない、クリーンなイメージとのことギャップでクレームが生じます。
昆虫クレームは患者さんだけではなく、そこで働く職員の皆様からもあります。現在の防虫対策は、患者さんやお客様目線で対策をするだけでなく、働く職員様のことも考えなければならなくなっています。職場の昆虫対策という視点の重要性がさらに高まってくると確信しています。
Q)衛生面や、患者さんに対するよりよい診療、ホスピタリティを考えると、他の病院さんも取り組まれた方がよいでしょうか。
金井先生:病院という施設において、防虫対策を実行している人は、まだ少ないと思います。これからは、そのようなところにも病院は目を配っていかなくてはいけない。防虫対策は、発展途上の分野と考えています。病院関係者も重要性は認識しているのですが、他の優先すべき課題を先にやっていて、防虫対策まではまだカバーしきれてないのが現状です。分かってはいるのですが、後回しになってしまっている。だから私は、「無視(虫)していると、取り返しのつかないことになりますよ」と言っています。
Q)それでは最後に、バーテックに期待することを教えてください。
金井先生:患者さんに快適な診療を受けていただくために、病院の衛生管理が重要です。バーテックは、当病院の衛生管理向上に重要なパートナーです。
お忙しい中、ありがとうございました。
取材日時 2019年10月
取材・執筆 カスタマワイズ
※ 所属組織、業務内容、写真、インタビュー内容は取材当時のものです。
取材協力:かわほりプリベント 代表 山岸 淳一 様
https://kawahoriprevent.jp/
- 導入製品
信州大学医学部附属病院 様
開院年月:1945年(昭和19年)6月
(松本医学専門学校附属病院として)
Webサイト:https://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/
金井先生は、2000年に信州大学医学部を卒業、信州大学医学部附属病院臨床検査部を経て、現在は感染制御室にて勤務されています。大学病院の感染症専門医として、感染症診療、感染症対策のコンサルテーション、職員の教育・啓発にあたられています。医療関連感染だけではなく、HIV/エイズ・性感染症予防、予防接種など、地域の活動にも力を入れており、「信州より感染症からみんなを守りたい」をモットーに活動されています。
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