最適なサーバーラックの選び方とは? 必要性とチェックポイントをわかりやすく解説!

最適なサーバーラックの選び方とは? 必要性とチェックポイントをわかりやすく解説!

サーバーラックとは、重要な情報やデータを保存しているサーバーを安全に収納するための棚です。サーバーは衝撃や熱に弱いため、サーバーラックで管理するようにしましょう。本記事ではサーバーラックのメリットや選び方、設置時の注意点などについて解説します。

サーバーラックとは? 選び方や必要性をわかりやすく解説!

サーバーとは、ネットワークを通じてデータや情報などのコンテンツを提供するコンピュータのことです。サーバーを通じて企業内でデータや情報を共有したり、業務に関するデータを保存・管理したりできます。

サーバーを含むIT機器は精密な作りをしており、衝撃に弱い製品です。落下や転倒はもちろん、熱によって故障してしまうおそれがあります。サーバーを安全に管理するには、サーバーラックがおすすめです。

本記事では、サーバーラックの役割やメリット、サーバーラックの選び方などについて詳しく解説していきます。

サーバーラックとは?

サーバーラックは、サーバーなどのコンピュータ機器を安全に管理するための専用棚です。主にサーバーを所有する企業などで使用されており、コンピュータ機器をまとめて管理するサーバー室などに設置します。サーバーなどのコンピュータ機器は衝撃や熱に弱く、安全に管理することが重要です。サーバーを設置する際は、サーバーラックを使いましょう。

サーバーラックの役割

サーバーラックは、サーバーを収納するのに特化した棚です。一般的なメタルラックよりも通気性の良い設計になっています。サーバーなどのコンピュータ機器は熱に弱く、通気性の悪い環境で管理していると故障の原因につながる可能性があります。サーバーラックは壁面がメッシュになっているなど、熱を逃しやすい構造になっているので物理的な故障の予防にも効果的です。

ほかにも、サーバーラックには鍵付きの商品もあります。サーバーには膨大な数の個人情報や企業機密など重要な情報が保存されているため、鍵付きのサーバーラックであればセキュリティ面でも安全です。

ネットワークラックとの違い

サーバーラックと似たものに「ネットワークラック」があります。サーバーラックが主にコンピュータを収納する棚であるのに対して、ネットワークはルーターやスイッチングハブ、パッチパネルなどを収納することを目的に設計された棚です。ネットワークラックは大量のケーブルを接続する通信機器を管理するため、機器取り付け部の両側に配線スペースを広く設けています。

サーバーラックのメリット

サーバーラックを導入するメリットには、以下の5つが挙げられます。

限られたスペースを有効活用できる

サーバーラックを使えば、サーバーを縦に収納できます。サーバーは直接積み上げて管理できないため、サーバーラックがないと設置に広いスペースが必要です。限られたスペースを有効活用するには、上の空間を活かしましょう。

関連機器保守・メンテナンスがしやすくなる

サーバーと関連機器をまとめて収納できるため、関連機器保守やメンテナンスがしやすくなります。急なトラブルがおこってもサーバーと関連機器が1箇所にまとまっていれば、復旧作業がしやすいでしょう。

セキュリティー対策になる

鍵付きのサーバーラックなら、セキュリティ対策にもなります。重要な情報が保存されているサーバーを、より安全に管理することが可能です。

ケーブル類をまとめられる

サーバーと関連機器をまとめて収納することで、ケーブル類をまとめられます。ケーブル類の管理が雑多だと、保守やメンテナンスがしづらく、急なトラブルにも迅速に対応できない可能性もあるでしょう。ケーブル類をまとめることで、見た目がきれいなだけでなく、保守やメンテナンスもしやすくなります。

サーバーラックを選ぶポイント

サーバーラックを選ぶ際は、以下の8つのポイントをチェックしましょう。

サーバーのサイズ

サーバーにはさまざまな形があるため、サーバーラックとサーバーの形やサイズが合っているかを確認してください。

サーバーの主な種類は「19インチマウント型」と「タワー型」の2つです。

19インチマウント型

EIA(米国電子工業会)の規格に沿って製造されたサーバー。幅19インチ(482.6mm)、高さ1.75インチ(44.45mm)EIAでは高さを「U」という単位で規定している。奥行きサイズの規定はない。

タワー型

据え置きタイプのサーバー。奥行きのある製品も多いため、サーバーラックの奥行きサイズも確認する。

特にサーバーの奥行きは製品によって大きく異なるため、サーバーラックとサイズが合うか必ずチェックしましょう。

設置場所

設置場所とサーバーラックのサイズが適切か確認するのも重要です。大容量のサーバーラックであれば、1台に多くのサーバーを収納できますが、大きい分広いスペースが必要となります。サーバーラックのサイズを決める際は設置場所のスペースに加え、メンテナンススペースを確保するのも大切です。

収納量

サーバーと関連機器の台数に適した収納量のサーバーラックを選びましょう。今後サーバーを増やす予定がある場合は、あらかじめ容量の大きいサーバーラックを選んでおくとコスト削減になります。

熱対策

コンピュータ機器は熱に弱いため、適切に熱処理できるか確認しましょう。特にボックスタイプのサーバーラックは、サーバー本体の熱がラック内にこもってしまいます。放熱ファンやメッシュパネル仕様など、放熱性に優れたサーバーラックを選ぶと故障リスクを最小限に抑えることが可能です。

作業性

メンテナンスの作業効率を高めるには、作業性の良いものを選びましょう。機器のマウント・増設や入れ替え、ケーブリングのしやすさを想定しながら選ぶことが大切です。

セキュリティ

サーバーラックには、ラックタイプ以外にも鍵付きのボックスタイプもあります。鍵付きであれば、重要なデータを保存しているサーバーをより安全に管理することが可能です。ただし、ボックスタイプはサーバー本体の熱を密閉してしまう可能性があるため、放熱性に優れたタイプを選びましょう。

拡張性

サーバーを増やす予定がある場合は、拡張性の高いサーバーラックを選ぶのがおすすめです。拡張性がないと、サーバーを増やす際に別のラックを導入しなければなりません。デッドスペースが生まれたり、余計な出費がかさんだりする可能性があります。

地震対策

サーバーを安全に管理するには、地震対策も重要です。残念ながらサーバーラックは転倒や落下のリスクを軽減できるものの、地震の大きな揺れや衝撃を吸収する機能は備わっていません。しかし、しっかりとした作りのサーバーラックは安価な製品と比べて衝撃に強い傾向があります。地震の被害を最小限に抑えるためにも、サーバーラックの耐久性もチェックしましょう。

サーバーラックを設置する際の注意点

次はサーバーラックを設置する際の注意点について解説します。サーバーは非常に繊細な機器なので、安全に管理するためにも注意点をしっかりおさえましょう。

高温にならない場所に設置する

コンピュータ機器は熱に弱く、高温の環境に置いておくと故障の原因になる可能性があります。サーバーラックを設置する際は、直射日光を避けるなど高温にならない場所を選びましょう。

通気性の良い場所に設置する

サーバーラックを通気性の悪い場所に設置すると、サーバー本体から放出される熱がこもり、サーバーラック内の温度が高くなるおそれがあります。サーバーを効率的に冷却するためには、サーバーラックを通気性の良い場所に設置しましょう。

熱対策にはヒートシャット・ブラシがおすすめ

サーバーラックの熱対策 には、ヒートシャット・ブラシの導入がおすすめです。次はヒートシャット・ブラシの効果やメリットについて解説していきましょう。

排熱効果がある

サーバーラックにヒートシャット・ブラシは、効率的に排熱をおこなえるように空気の流れをコントローできます。サーバーを効率的に冷却するには、部屋全体を冷却するだけでは不十分です。いくら部屋を冷却しても局所に溜まった熱を放出しなければ、サーバーの熱を取り除けません。サーバーを効率的に冷却するには、排熱効果を高めることが重要なのです。

圧力を調整できる

ヒートシャット・ブラシには、自動調圧機能が備わっています。ヒートシャット・ブラシで、コンテイメントおよびラック内の隙間をふさぐことにより、温かい空気と冷たい空気を分離させ、サーバーラック前面と後面の圧力の差が、パネルによる密閉時と比べ低く抑えられます。

サーバーのファンの故障リスクを最小限に抑える

サーバーラック上部との隙間にヒートシャット・ブラシを設置することで、圧力の上昇を緩和することができ、サーバーのファンの故障リスクを最小限に抑えられます。

省エネ効果が期待できる

ヒートシャット・ブラシを設置し、温かい空気と冷たい空気を分離させることにより、空調装置からの冷気の有効活が可能です。さらに送風量を減らすことで省エネ効果も期待できます。

施工や電源が不要

ヒートシャット・ブラシを設置する際は、施工や電源が不要です。フレームはゴム製なので、サーバーラックのサイズに合わせて簡単にカットできます。さらに差し込みフレームは差し込みでの取り付けが可能であり、穴あけやビス止めなども必要ありません。

サーバーの移動や撤去作業の注意点

不要になったサーバーを移動したり撤去したりする際は、以下の3点に注意しましょう。

サーバーへの物理的なダメージに注意する

廃棄しないサーバーがある場合は、サーバーに物理的ダメージを与えないよう注意が必要です。サーバーは衝撃に弱いため、大切なデータを破損したりサーバーの故障の原因になったりする可能性もあります。サーバーの移動や撤去する際は、廃棄しないサーバーを傷つけないよう注意しましょう。

廃棄サーバーのデータを完全に消去する

サーバーを廃棄する場合は、サーバー内のデータを完全に消去することが大切です。サーバーには膨大な個人情報や企業機密が保存されているので、情報漏洩を防ぐためにもデータを完全に消去しましょう。

複雑な配線は専門業者に依頼する

サーバーや関連機器の複雑な配線は専門業者に依頼するのがおすすめです。正しい配線がおこなわれていないと、セキュリティ面でダメージを受ける可能性もあるため、専門知識を持っている業者に依頼すると安心でしょう。

まとめ

本記事では、サーバーラックの役割や選び方について解説してきました。重要な情報やデータを保存しているサーバーを、安全に管理するにはサーバーラックを活用するのがおすすめです。サーバーラックを正しく運用するには、排熱や圧力調整にも注目しましょう。サーバーは非常に繊細な機器のため、熱や圧力によって故障リスクが高まることがあります。ヒートシャット・ブラシを設置して排熱や圧力調整の対策をおこない、大切なサーバーを安全に管理しましょう。

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