データセンターにおけるキャッピング(コンテインメント)とは?重要性やキャッピングを行わないことの弊害、手軽な導入手段などについて解説

データセンターにおけるキャッピング(コンテインメント)とは?重要性やキャッピングを行わないことの弊害、手軽な導入手段などについて解説

データセンターにおけるキャッピング※とは、データセンター内の空調効率を高める手法のことです。コンテインメントと呼ばれることも多く、データセンターの冷気と暖気を分離することで、空調効率を効果的に改善できます。

このコンテインメントを導入することで、消費電力量を抑えられるだけでなく、サーバー本体への負荷を軽減し「システムダウン」などのトラブルを未然に防止できます。現在は手軽にコンテインメントを実現できる製品もあるため、データセンターの空調効率を改善させたい企業はチェックしておきましょう。

今回の記事では、コンテインメントの概要や重要性、コンテインメントを行わないことの弊害、手軽な導入手段などについて解説します。

※「キャッピング」は日本電信電話株式会社の登録商標です。

データセンターにおけるキャッピングとは?

データセンターにおけるキャッピングとは、データセンター内の空調効率を高める手法のことです。「コンテインメント」とも呼ばれます。サーバーラック同士を壁などで物理的に分離し冷気と暖気を分けることで、それぞれの空気を抜け漏れなく囲い込み、効率的な空調環境を実現できます。

空調効率の改善方法として、送風機を活用しているデータセンターもあるでしょう。しかし送風機では、排気側への熱溜まりは解消できますが、機器本体への冷却効果は薄いです。

コンテインメントであれば、冷気と熱気の混ざり合いを防止し「一部の温度が極端に高くなる」という事態を避けられます。

参照:データセンターサーバ室技術ガイドブック

データセンターでの消費電力量が増える中でキャッピングの導入は重要

このコンテインメントは、データセンター内において重要性が高まっています。
現在では5GやAI、IoTなどの活用によるIT需要増加によって、データセンターにおける機器の電力密度やサーバーの搭載数が増えており、それに伴い消費電力量も増加しています。2050年には「IPトラフィックが現在の4,000倍に達する」と予想されており、現状の技術ではすべての消費電力を賄うことが難しくなるでしょう。

そのため、空調効率の改善施策などに取り組むことで、いかにデータセンターの消費電力量削減・効率化を進められるかが重要です。

データセンターが抱える消費電力の問題については、以下でも詳しく解説しています。
バーテックのこだわり

キャッピングで空気を分離し空調効率を改善させる

コンテインメントでは、以下の2種類に空気を分離することで空調効率を改善します。

ホットアイル
コールドアイル

ホットアイル

ホットアイルとは、サーバーから排出される暖気を逃すための空間や通路のことです。
このホットアイルを分離するために、サーバーから放出される暖気を密閉して囲い込む方法が「ホットアイルコンテインメント」です。ラック背面の排気側を密閉してホットアイルを囲い込み、ダクトや天井裏を経由し排気を空調機へ戻します。

コールドアイル

コールドアイルとは、サーバーを冷ますために空調機から送られる冷気の通り道のことです。
このコールドアイルを分離するために、空調機からサーバーに送られた冷気を密閉して冷却する方法が「コールドアイルコンテインメント」です。ラック前面の吸気側を密閉し床からラック上部までを囲い込むことで、サーバーに冷気を送り込むことができます。

キャッピングを行わないと故障の原因になる

コンテインメントを導入し空気を2種類(ホットアイル・コールドアイル)に分離することで、データセンター内の暖気と冷気を別々にして効果的な空調効率を実現できます。

もしコンテインメントを行わなければ、空調効率が低下し余計な電力を消費するためコストが膨らみます。さらに、熱が特定の箇所に溜まることでサーバーに負荷がかかり、システムダウンなどの悪影響を与えることもあるでしょう。システムダウンが発生すれば稼働中のシステムは止まるため、絶対に避けなければなりません。

上記のような故障を防ぐためにも、データセンターを運用するうえではコンテインメントの実施が必要です。

キャッピングは重要だが「導入の高さ」にハードルを感じるケースも多い

上記で解説したように、データセンターを安全かつ効率よく運営するうえでは、コンテインメントの存在が重要です。

しかしコンテインメントの設置には、工事や設備を設計できる専門知識が必要なため、簡単には導入できません。物理的にドアや壁などを設置するため、工事の規模も大きくなります。

しかも、導入工事の際はデータセンターの稼働を一旦を止める必要があるため、実施のハードルはかなり高いでしょう。費用も高額なため、空調効率の改善を考えていてもコンテインメントの導入に二の足を踏んでいる企業は多いかと思います。

「アイルカバー」を活用すれば手軽にキャッピングを実現できる

上記のような「専門知識を用いた設計が必要」「高額な費用」などのネックポイントを解消し、手軽にコンテインメントを実施できるようにした製品が、バーテックの販売する「アイルカバー」です。

バーテックのアイルカバーは、手軽に設置することで、貴社データセンターですぐにコンテインメントをはじめられます。

従来のコンテインメントのように大規模工事で物理的な壁を作る必要がないため、コストを最小限に抑えつつ、自社で簡単に導入できます。専門的な設計の知識も不要なため、自社サーバーに合うサイズのアイルカバーを選んで設置すればOKです。業者との入念な打ち合わせも不要なため、「今すぐに自社の空調効率を改善したい」という企業にぴったりでしょう。

両面テープで固定するため、一度取り付けた後も自分の状況に合わせて自由に移動させたり外したりもできます。

また、ブラシには自動調圧機能が搭載されているため、ファンへの負担を軽減して故障リスクを減らし、安定稼働にも貢献します。

もちろん稼働中のデータセンターを止める必要もありません。自社サーバーの空調効率を改善したい企業は、ぜひバーテックのアイルカバー導入をご検討ください。

アイルカバー

キャッピングの効果を高めるには「室内の温度を上げる」ことも必要

上記のアイルカバーを取り付けるだけでも空調効率は改善できます。しかし、より高い効果を目指すなら、空調設備の設定温度も上げましょう。

手軽に導入できる製品を活用してデータセンターの効率的な運用を目指そう

コンテインメントは、データセンターの空調効率を改善するうえで重要な手法です。コンテインメントによって冷気と暖気を分離することで、空調効率を改善し消費電力量の削減を実現できます。

しかし、コンテインメントには「費用が高額」「導入までの手間が大きい」といったネックポイントがあります。一時的にデータセンターの稼働を止める必要もあるため、空調効率改善の重要性を理解しつつ、なかなか導入に踏み込めない企業も多いでしょう。

そのような企業には、バーテックが開発したアイルカバーがオススメです。アイルカバーであれば、大規模な工事や専門知識は不要で簡単にコンテインメントを実現できます。状況を見ながら自由に設置場所を変更できるため、初めて空調効率改善に乗り出す企業でも安心です。

こうした手軽に導入できる製品を活用しながら、効率的なデータセンターの運用を目指しましょう。

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