【対談】「SDGs」持続可能な開発目標と今後のビジョンを語る!!
バーテックでは、「働く人々を笑顔にし、より良い環境を未来へつなげる!」というビジョンを掲げています。ブラシを通じて生産現場の課題を解決し、さらには社会問題や環境問題の解決にまで貢献したいと考え、お取引先様や業界関係者様とのパートナーシップにも力を入れてきました。そこで、パートナーシップによる新たな価値創造のため、「共創」をテーマに経営者対談を実施しています。
今回は、長年バーテックの物流をサポートしてくださっている佐川グローバルロジスティクスの森下社長をゲストにお迎えし、SDGsについて想いを語り合いました。両社が事業を通じてSDGsにいかに取り組み、新たな価値創造にチャレンジしているのかをご紹介させていただきます。
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佐川グローバルロジスティクス様の事業内容
末 松 :今回の対談をお引き受けくださり、ありがとうございます。まず初めに、佐川グローバルロジスティクス様の事業内容について、教えてください。
森下様 :はい。私ども佐川グローバルロジスティクスは、SGホールディングスグループの物流会社で国内物流を中心に事業展開しております。現在、従業員が7000名、年間500億円ほどの売上規模です。
具体的には、お客様の商品をお預かりし、佐川急便を使った発送業務をしています。
アパレルや化粧品関係などの企業様が多いですが、中には電子部品を取り扱っている企業様もいらっしゃいます。
両社の経営理念・ビジョンについて
末 松 :御社の経営理念等を教えてください。
森下様 :「SGL SPIRIT」と呼ぶ当社のミッションは、「ロジスティクスで成功させるビジネスパートナー」です。これは役職者約15名が2泊の合宿を通して作成し、ホールディングスの取締役会でも承認されたものです。
この半年後には「SGL STYLE」という行動指針を社員が作ってくれました。「モノと想いをつなげる」です。
そのほか、「SGL STANDARD」という各営業所平準化のための社内基準を設け、唱和や社内報、スクリーンセーバーなどを活用し、7000名の従業員に周知しています。
しかし、風土を変えるには時間がかかります。おそらく、3年から5年は必要かと思っています。
末 松 :将来のビジョンは?
森下様 :売上を現在の2倍、1000億円を目指しています。そのための機械化と人材採用を積極的に進めています。「物流は大変でしょう」と言われながらも、直近2年で社員数が1500名程増えています。
さらに機械化とM&Aにも取り組むことで、事業の幅を広げたいと考えています。
末 松 :御社は、2年ぐらい前から、SDGs(エス・ディー・ジーズ)をテーマに目標を掲げられているそうですが、どのように取り組まれていますか?
森下様 :もともと環境問題に関しては、積極的に取り組んできたと自負しています。
例えば、CO2削減。私どもは、大阪から東京まで毎日、日本初となる電車型貨物列車を運行しています。
コンテナを積んだ貨物列車というのはよく見かけると思いますが、物流業者が貨物電車を使用している事例は当社だけです。
一般的に貨物列車は、時速80キロしか出ません。ところが、当社の貨物電車は130キロ出ます。というのも、リニアモーターカーを設計した方が車体設計を担当したためです。
この貨物電車が毎日、東京・大阪間を往復しており、1日約56台分のトラック削減に成功しています。
森下様 :御社はどのようなビジョンを描いていますか?
末 松 :バーテックも昨年からSDGsを意識し取り組みを始めています。
「SDGsを学び、社会の課題に対し事業を通じてどのような貢献ができるか」ということを、合宿を通して全員で話し合い、新たなビジョンを決めました。
ブラシメーカーではありますが、「ブラシ」という言葉は使わずに「働く人々を笑顔にし、より良い環境を未来へつなげる!」というビジョンを掲げました。SDGsでいうところの「8:働きがいも経済成長も」「12:つくる責任」「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」に該当すると考えています。
現在取り組んでいるSDGsでビジョンを考えるにあたって、外部講師を招いて社内研修していますが、ソーシャルインパクトがすごく大事だと感じています。
いくら良いことをやっていても、社会に対してインパクトを与えることがなかったら、自己満足で終わってしまうと。自分たちが行っていくことで、より社会を変えられるようなインパクトを与えられるかを考えるのは大事だと感じています。
働きがい向上について
末 松 :弊社では、「全従業員の物心両面の幸福を追及すると同時に、人類・社会の心と技術における進化発展に貢献する」という理念を掲げています。最近ではその具体的な活動として、働きがいを高める取り組みに力を入れていて、働きがいのある会社ランキングに2年連続で選ばれました。
また、弊社の取り組みを社内だけではなく、お客さまにご紹介させていただいて、一緒に働きがいを高めていこうということをやっています。
弊社の物流現場でも、箱詰めしていただいたブラシがその先のお客さまのところに行って、どのようにしてお役に立っているかということを現場で働いている人たちにも共有させていただいています。
森下様 :本当にそうですね。自分の扱っている商品が店頭に並んでいるのを見ると、ちょっとうれしいですよね。
同様に、御社の商品は人々の生活を陰で支える商品です。実際の現場でどのような使い方をされているのかも含め、一般の方はなかなか目にする機会がないと思います。
しかし防虫対策というのは、すばらしい取り組みです。ぜひ、物流面で御社サービスを今後もサポートさせてください。
末 松 :ありがとうございます。
森下様 :御社は10年後、どのぐらいの規模を目指していますか?
末 松 :弊社ではSDGsと同じ2030年という時間軸でゴールイメージを描いています。
中でも弊社が一番の強みとし、海外展開も行っている防虫対策用のブラシで「世界の隙間を埋める」というスローガンを掲げ、大きな目標にチャレンジしています。
防虫対策用ブラシはPCO(有害生物管理)業界で使われるもので、現在PCO業界では環境への悪影響を低減するためにIPM(総合的防除管理)という必要最低限の薬剤の使用にしていこうという業界の動きがあります。
その中でも弊社のような物理的防除策は注目を集めていますが、まだまだお役に立てている分野が少なく、薬剤の使用を低減させられるほどの貢献は出来ていないと考えています。
ソーシャルインパクトという観点からも全世界で2兆3000億円ほどあるPCO市場の中でその1%(230億円)をバーテックの物理的防除策製品で市場を創造し、薬剤の使用を低減させることで人と環境にやさしい社会を作っていきたいと考えています。
現在の弊社の事業規模からすると果てしなく高い目標ですが、社会的使命を感じ、何としてでも成し遂げたい目標です。
PCO市場だけではなく、ビジョンである「働く人々を笑顔に」の具現化として、研磨や清掃用のブラシでもシェアNo.1を目指し、製造業で働かれている人たちの働きがいの向上、幸せの創造に貢献していきたいですね。
双方への期待
末 松 :今後、バーテックに期待することはどんなことでしょうか?
森下様 :末松社長は、決めたことは絶対実行に移されますよね。われわれもビジネスパートナーとして、その意志に寄り添い、対応していく所存です。どんどんやっちゃってください(笑)。期待しています。
職業柄、いろいろな経営者にお会いしますが、末松社長はその中でも特に自信にあふれています。「どこから変えればいいのかわからない、何とかしてくれない?」みたいな社長さんって意外と多いですからね。
末 松 :なにか理由があるのですか?
森下様 :物流の話って、物流経費を削減したいといった、つまりは経費の話です。それでいくと、「今期は売上を減らしてでも何とか利益を出したい」「いったんスリムにしたい」といったお話はどうしてもネガティブな志向に傾きがちです。
むしろ、ベンチャーの出身の方は、ゼロベースで、「これからこういう商売を始めたいのですが、物流でこのようにすることは可能ですか」と言われ、輝いて見えます。
今後に向けて
末 松 :毎年、弊社では事業発展計画発表会を開催していて、御社の担当者にもお越しいただいていますが、物流まわりは素人です。ぜひ、専門家としてのご提案をお願いしたいと思っています。
物を出荷して弊社の売上が立つので、そこで物が止まってしまうと商売が止まってしまうということになります。
問題が起こってから対応するというのではなくて、「こういうふうに伸ばしていくんだったら、こういう方向に手を打っていったらいいですよ」など、そういったお話を先回りしていただけるとありがたいなと思っています。
森下様 :恐らく、「言ったことはやってくれるんだけど、それ以上のものがない」という物足りなさが御社側にあると思います。
弊社従業員も、お客様から言われたことはきっちりやる人が多いですが、それ以上のものがないという声も耳にします。今後は、そこに力を入れて社内の風土改革と併せて取り組む所存です。
御社の期待を超えていけるように、変化してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
末 松 :こちらこそ、よろしくお願いします。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは
2015年に国連で開かれたサミットの中で決められた、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。
SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
SDGs参考サイト:JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
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