食品工場の防虫対策、3つの視点とシャッターブラシの思わぬ盲点

食品工場の防虫対策、3つの視点とシャッターブラシの思わぬ盲点

食品工場において、防虫対策は、企業存続に必要不可欠な取り組みです。そのためにも、まずは、どのような防虫対策が考えられるのか網羅的に検討した上で、リスクの大小、得られる効果、予算などから最適な対策を行っていく必要があります。
しかし、防虫対策を網羅的に検討するのはなかなか難しいので、視点を絞ることで具体的に検討しやすくなります。今回は、防虫対策を行う上で必要な3つの視点について解説した上で、その中でも見落としがちなシャッターブラシの定期的な交換の必要性について詳しくみていきましょう。

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防虫対策を行う上で必要な3つの視点

食品工場における虫の発生原因としては、外部侵入(外部から工場に侵入する場合)と内部発生(工場内部で繁殖し発生する場合)に大きく分けられます。
それぞれの発生原因に対して、どのような防虫対策を行うのかについては、次の3つの視点から検討することが重要です。なお、これらの対策以外にも、広く防虫対策と考えた場合、生物的対策(天敵を放つなど)も考えられますが、食品工場では現実的ではないので割愛します。

①環境的対策
②物理的対策
③化学的対策
それでは順に詳しくみていきましょう。

①環境的対策

環境的対策とは、虫が住みにくく、繁殖しにくい環境を作るための対策です。例えば、外部侵入に対しては、工場周辺の定期的な清掃、樹木の剪定、ゴミの保管期間や廃棄方法などを決めるなどがこれにあたります。また、内部発生に対する対策としては、清掃しやすいように整理整頓する、日常清掃、高所部分の特殊清掃、床のクラックの補修などがこれにあたります。
清掃については、きれいにするための清掃とは異なり、対象となる虫の特徴、発生源、食性など虫に焦点を当てた防虫清掃という視点が重要になってきます。

②物理的対策

物理的対策とは、機械、器具などを使用することで、虫の工場内への侵入を防いだり、繁殖を抑えたり、駆除したりするための対策です。
例えば、捕虫器を設置する、気密性の高いシートシャッターに切り替える、防虫用のエアカーテンの設置、空調管理などがこれにあたります。

③化学的対策

化学的対策とは、薬剤を用いて虫を忌避、駆除するための対策です。例えば、殺虫剤の散布、燻蒸作業などがこれにあたります。
化学的対策は、ほかの対策に比べて即効性が期待できることが特徴ですが、薬剤を大量に使用することは、環境への影響が懸念されます。そのため、どのような防虫対策を実施するかを検討するときは、物理的対策、環境的対策を優先し、化学的対策は、薬剤使用は最小限にすることが望ましいです。

以上、防虫対策を行う際は、まずこの3つの視点からどのような対策が考えられるかを検討した上で、必要な対策を計画的に実施していくことが有効です。
また、一つの対策を実施するだけでは、必ずしも期待した防虫効果が得られるというわけではありません。複合的な対策を実施することも重要な視点です。

シャッターブラシの定期的な交換をすることで常に防虫効果が高い状態に

上記の3つの視点のうち「環境的対策」と「物理的対策」は、食品工場が日常的に取り組まなければならないものです。物理的対策は、特にどちらの食品工場でも複合的な取り組みを行い、防虫対策の精度を上げる努力がなされています。
その中でも、シャッターやドアの隙間対策を実施することは、外部から工場内への虫の侵入を防止する上で必要不可欠です。これをおろそかにすると、内部発生のリスクも高まるため、常に防虫効果が高い状態を維持する必要があります。
一般的に、シャッターやドアの隙間対策としてブラシを利用されるケースが多いですが、食品工場の担当者の皆さんが見落としがちなのがシャッターブラシの交換の必要性についてです。
劣化しにくいように作られているシャッターブラシですが、シャッターの開閉、雨、風、紫外線などの影響により、毛が反り返るなどしてブラシが劣化してきます。そのため、定期的な交換が必要になりますが、お客様の現場ではブラシが交換されずに放置されていることをよく見かけます。理由は、担当者が変わりブラシが設置されていることを忘れている、そもそも交換のタイミングわからない、など様々です。
ブラシを劣化した状態のまま放置すると、防虫効果が十分に発揮されません。さらには、ブラシの切れや抜けの原因にもなりかねません。

劣化したブラシの防虫効果の試験について

新品ブラシと劣化したブラシでの害虫の侵入数を当社にて比較試験を実施しました。

試験結果

調査方法

幅15cm、長さ40cm 、高さ20cmのプラスチック製ケースの中央部の側面に5㎜の隙間をあけた仕切板を設置。仕切りで区切られた二つの領域のうち、片方を試験区とし、試験区の反対側を対照区とする。試験区には光源としてペンライトを供試虫の誘因源として設置した。その上でケースを暗所に設置。ケース側面の隙間を埋めるように、対象となるブラシを設置し、対象区にクサビノビバエ20匹を放ち、1時間後の試験区への侵入数を計測した。今回試験に用いた劣化したブラシは、設置後、約10年経過したブラシを使用している。

考察

試験結果からもわかるとおり、ブラシの状態にもよりますが、劣化した状態のまま放置すると、ブラシを設置していない場合と同じ状態になることもあります。
そのため、シャッターブラシを3~5年を目安に、定期的に交換することにより、「常に」防虫効果が高い状態でお使いいただくことをおススメします。

シャッターブラシの交換が必要な状態とは?

左側の写真のようにブラシとシャッター表面に隙間が生じる状態になっていれば交換が必要な状態といえます。ただ、シャッターブラシの交換が必要かどうかは、判断が難しいところです。そのため、バーテックでは、お客様の現場にて設置しているシャッターブラシの劣化状態を判断するための診断サービスシャッターブラシメンテナンスサービスを実施しております。
お申込み後、必要なお写真をお送り頂きます。その後、担当者から詳しくヒアリングをさせて頂いたのちに、報告書を提出させて頂きます。自社で設置しているブラシの状態を確認したい場合には、是非こちらのサービスをご活用ください。

 

シャッターブラシについて


※参考文献

公益社団法人 日本ペストコントロール協会HP 「IPMという手法を駆使して」のページ https://www.pestcontrol.or.jp/association/archive/tabid/124/Default.aspx

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