なぜ、食品工場内に虫(害虫)が発生するのか?最適な外部侵入ルート対策方法

なぜ、食品工場内に虫(害虫)が発生するのか?最適な外部侵入ルート対策方法

食品への異物混入の原因となる虫。彼らはどこからやってくるのか。今回は、異物としての虫について、統計的な被害の実態、侵入ルートとその対策について紹介します。どのルートからどの虫が侵入するのかということを把握した上で的確な対策を取ることにより、効率よく防虫対策をしていただければと思います。

異物混入の中における虫の位置づけ

まずは図1をご覧ください。これは全国127自治体に寄せられた混入異物の内訳を示したものです。混入異物のうち虫の割合が最も高いことがわかります。

図1【高橋他2019 , p. 42】の図を筆者加工

虫が最も上位に上げられる原因は、生き物であるためにコントロールしづらいためではないかと考えます。樹脂や金属は、危害要因分析を行う中で工程内において、例えば使用機器のメンテナンスや一般的衛生管理の徹底などによりコントロール可能です。無生物は自律的に動くことはないためです。しかし、虫の場合はどこからでも入ってきますし、内部で発生、繁殖もします。また、微小であるため発生していてもなかなか気づくことが難しい点もやっかいです。このことより、「異物」としては最もコントロールしづらいのが虫であると言っても過言ではないでしょう。コロナウイルスの影響により、衛生意識が高まる中において虫の異物混入を防ぐ対策の重要性はますます高まることが考えられます。

外部侵入ルートの解説

異物混入の原因となる可能がある、工場へ侵入する虫は外から侵入する外部侵入虫と、建物内で繁殖する内部発生虫に分けられます。この記事では特に外部侵入由来の虫の種類ついて紹介します。加えて、その侵入ルートに適した対策方法を提案します。外部侵入虫としては、最終的に飛翔により侵入する飛翔侵入虫としてのユスリカ、クロバエキノコバエ、はねを利用せず歩行して侵入する歩行侵入虫としてアリやトビムシなどが挙げられます。これらの外部侵入虫の侵入ルートと対策として3点紹介します。

侵入ルート①シャッター、ドア

シャッターやドアは一見隙間がないように見えます。しかし下の写真を見れば一目瞭然ですが隙間があります。ここから光や臭いが漏れると虫を引き寄せ、隙間からの侵入につながります。対策として、シャッターやドアの隙間対策ブラシで防ぐことができます。隙間対策でゴムなどではなく、ブラシを推奨する理由があります。なぜならブラシは1本1本独立しているので、シャッターの表面の凹凸や地面の凸凹になじみ、摩擦抵抗が少なく開閉に支障を起こしにくいためです。

侵入ルート②遊休資材、パレット

写真のように、工場の入り口に遊休資材やパレットを置いてあるケースがよくあります。このように、入り口付近に資材を置くと、そこを虫の休息地として利用し、資材を工場へ持ち込む際に一緒に入ってくるケースがあります【高橋他2019, pp. 68-69】。このように虫が侵入してしまう場合、先で記載したブラシでの対策ができません。そのため、入り口付近にこうした資材が放置されていないか定期的にチェックを行うことが必要です。

侵入ルート③エキスパンション部分 (建物同士を接続させてある部分)
写真のように、建物の増改築を繰り返して拡大を行うと、建物同士の継ぎ目ができます。そつなぎ目に隙間が生じ、虫の侵入口となる場合があります。これらの部分の対策として、気密ゴムもしくはコーキングによって埋める対策が挙げられます【高橋他2019, p. 342】。

外からの侵入防止策として、3つ紹介しました。シャッターやドアのような構造上必ず生じる侵入口だけでなく、外に資材を置かないなど、虫を内部に持ち込まないような対策も同時に重要となります。

おわりに:総合的な対策の重要性

ここまで、虫の位置づけ、外侵入ルートに適した対策を紹介しました。虫は外からの侵入する場合と、内部で発生する場合に分けられます。また、外から侵入する場合も隙間から自力で侵入するだけでなく、資材や段ボールについて侵入することもあります。対策方法は以下の2つです。
(1) 隙間を防ぐ
(2) 不要な資材を置かないことにより、外から持ち込むリスクを減らす

まずはモニタリングにより、どの虫の発生が問題になっているのかを見極めます。その上で、その虫の特徴(外部侵入、内部発生)に即した対策を適切に行うことにより、効率の良い対策を行うことが可能となります。
虫はコントロールが難しく、気が付いたら発生していることがよくあり、対策が簡単ではありません。しかし、その特徴を理解し、発生源、侵入口となる場所を見出し、その場所を一つ一つ丹念に対策することで虫のリスクは大きく減ります。外と内の対策を万全にしていただくことで、防虫対策を完成することにより、万に一つも異物混入することのないようにしていただければと思います。

参考文献
菅野 格朗2018 「有害生物vol. 5 貯穀害虫 生態編」『月刊食品工場長』2018年10月号, pp. 50-51.

 

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