食品工場への侵入する虫を未然に防ぐ!天然忌避成分「コパイバオイル」を徹底解説

食品工場への侵入する虫を未然に防ぐ!天然忌避成分「コパイバオイル」を徹底解説

防虫対策に使用される薬剤や天然成分は数多くありますが、使用するにあたって何を基準に選んでいますか?食品工場などでは、安全性の問題から、そもそも薬剤を使用していない場合もあるかと思います。当社製品の防虫対策用ブラシ「バーシャットⅡコパイバ」「ドアドアムシヘル・コパイバ」には、天然忌避成分「コパイバオイル」を含浸しており、特に食品工場での使用をおすすめしています。今回は、「コパイバオイル」とは何か、なぜ食品工場の防虫対策に有効なのかについて、徹底解説します。

 

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植物精油コパイバオイルとは

南米原産のマメ科植物で高さ30mにも達する常緑高木です。その幹に穴を開け、そこから搾取した樹液を精製したものがコパイバオイルです。コパイバオイルは臭いが少ないながらも害虫に対する忌避活性が高く、その効果が長期間持続するという特徴があります。近畿大学農学部と京都リフレ新薬との研究で昆虫に対する忌避効果を確認し、特許を取得しております。(特許番号3662816号)。忌避効果が確認されている対象の昆虫は、ショウジョウバエ・チョウバエ・コクゾウムシ・ヒメカツオブシムシ・チャタテムシ・コイガ・チャバネゴキブリ・トビイロシワアリなどです。

また、忌避剤としての利用以外では、工業用写真紙、トレーシングペーパー、クロス、陶磁器用の溶剤などにも利用されています。

 

防虫対策でコパイバオイルが有効な理由

一般的に外部から侵入する虫に対する防虫対策は、(1)入口付近に虫を近づけない (2)建物内に虫を入らせない (3)建物内に虫を入らせてしまった後の早期駆除の三段階に分かれます。ただし、(3)の場合、食品工場などでは建物内であまり薬剤を使えないため、異物混入のリスクがぐっと高まってしまいます。よって、防虫対策としては、工場へ侵入するまでの(1)(2)が重要項目となります。

当社の防虫対策用ブラシは、(2)建物内に虫を入らせないことを目的とするものであり、ドアやシャッターに取り付けることで高い防虫効果を発揮しております。さらに、忌避効果のあるコパイバオイルを含侵させたブラシを用いることで(1)入口付近に虫を近づけない効果も加わり、相乗効果によって工場内へ虫の侵入する確率は極めて低くなるでしょう。

 

コパイバオイルを安心安全にご使用いただける理由

コパイバオイルが安心安全な成分なのか、忌避効果はどれだけあるのかを本章で解説します。

安全性について

本製品に使用している忌避成分「コパイバオイル」の毒性は、一般に使用されている殺虫成分と比べてはるかに低く、LD50という観点から見れば食塩よりも安全性が高いということになります。

※比較のための参考
①Journal of Ethnopharmacology. Vol.22, Pg.101, 1988参照
②化学物質毒性データ総覧(RTECS)参照
③農薬登録申請資料(1995)参照
※LD50とは、投与された個体の半数が致死する、個体1kg当たりの投与量を示します。

忌避効果について

以下の通り、試験を行いました。

試験方法

仕切りで区切られた二つの区画のそれぞれの領域にゴキブリ用のシェルターとしてアルミ皿(直径120mm, 高さ16mm)を裏返しにして設置した。その際、アルミ皿の2か所を切り抜いてシェルターとした。なお、チャバネゴキブリは、仕切り板の下の隙間を通り、両区画を自由に移動することが可能である。ppフィラメント、コパイバフィラメントをそれぞれ用意し、約6cm,5gの長さ、量にて両区画のアルミ皿の下に設置した。コパイバフィラメントを設置したアルミで覆われた部分を試験区、ppフィラメントを設置したアルミ皿で覆われた部分を対照区とした。
チャバネゴキブリ成虫を試験区、対照区にそれぞれ5匹ずつ放ち、明条件にて2時間後に試験区、対照区にそれぞれ入り込んだ数を測定し、忌避率を算出した。(繰り返し数 n=3)。

試験結果

図2の記載の通り、平均忌避率71.5%であることを確認できました。

※一定の環境下での測定値です。使用環境により異なります。
※上記調査結果は、加速試験にて約3年後のコパイバオイルフィラメントの結果です。

 

忌避効果の持続性について

コパイバオイルフィラメントの効果持続性を確認するため、アルミ袋から開封後のコパイバオイルフィラメントを、先述した「チャバネゴキブリを用いた忌避効果実験」を1年経過相当※1ごとに実施しました。その結果、4年目相当以降に忌避効果が低下(70%以下)しました。この結果より、忌避率は、開封後約3年間70%以上を維持することが確認できました。

※一定の環境下での測定値です。使用環境により異なります。
※1 経過相当品はコパイバフィラメントに対し、恒温恒湿器を用い温度70℃、湿度95%RHの条件にて、168時間を1年相当とする加速試験を行い作成した。

 

ブラシへの含侵方法について

本章ではブラシに含侵させている技術、SROPE(スロープ)について紹介します。SROPE(スロープ)とはポリオレフィン中に、さまざまな天然精油を中心とした液状機能剤を、30%という高い比率で含有することのできる、クラレトレーディング社の独自技術(特許取得済み)を用いて、各種液状機能剤を練り込んだ繊維・成型加工向けのマスターバッチのことです。高添加量の液状機能剤が、長時間にわたって樹脂の表面から徐放し、効果が持続します。

※SROPE®(スロープ)はクラレトレーディング社の登録商標です。

コパイバ含侵タイプ製品ラインナップについて

※使用上の注意点
ブラシの構造上、ご使用の頻度や環境等により、ブラシの抜けや切れが発生する場合がございます。お取り付け後は定期的にブラシの状態をご確認ください。
安全性の高い成分を使用しておりますが、誤って口に入れたり中身が皮膚について異常が見られた場合は医師にご相談ください。

まとめ

今回は、食品工場の防虫対策として、天然忌避成分「コパイバオイル」が有効である理由を解説しました。ペストコントロール業界においては、防除に対する効果が求められる一方で、持続可能な社会を実現するために、環境への負荷低減も求められています。当社が開発したコパイバオイル含浸の防虫対策用ブラシは、シャッターやドアの隙間に設置することによって物理的防除ができるということに加えて、天然忌避成分含浸により、薬剤による環境への悪影響を低減させる、より効果的な防虫対策となる商品です。また当社では、SDGsで重視される生物多様性の観点から、人間にとって不快だからという理由だけで、薬剤で殺生してはいけないと考えています。「薬剤を減らし、人と虫を笑顔に変えるブラシ」として、安全かつ忌避効果のあるコパイバオイル含浸の防虫対策用ブラシを、安心してご使用いただけたらと思います。

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