導入事例

史料の収蔵、整理・保存と公開を行う学習院大学キャンパス内の史料館学習院大学史料館 様

導入製品

奈良県文化財研究所 飛鳥資料館

バーテックには「ブラシを売りたい」というより、
「史料館と史料を守る手助けをしたい」という
誠実さと説意を感じました。

学習院大学史料館 学芸員 冨田ゆり様(中央)、学芸員 丸山美幸様(右)、弊社 関東事業所 北條正浩

学習院大学史料館では、史料と歴史的建造物である建物の防虫対策として、シャッターとドアに隙間対策用防虫ブラシを取り付けた。
他社のブラシと比較検討することなくバーテックのブラシを採用した理由は何なのか。ブラシの防虫対策効果はどうなのか。詳しくお話を伺った。

所在地:東京都豊島区目白1-5-1
開室時間:平日 9:30~17:30 (11:30~12:30は閉室) 土曜 9:30~12:30
※8/1~9/15の夏季休暇期間中は、火・水・木曜 9:30~17:00の開室です。
休館日:日曜日、国民の祝・休日、開学記念日(5月15日)、開院記念日(10月17日)、大学入試期間(2月頃)、その他の年末年始、夏期休館など。
Webサイト:
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/

外観写真

学習院大学の正門。東京都豊島区目白という都心にありながら自然豊かなキャンパスが広がっている。

学習院と史料館の業態、学芸員の役割

Q)学習院大学史料館のある学習院について教えてください。

A)学習院は開講以来の歴史と伝統を継承しつつ、「広い視野、たくましい創造力、豊かな感受性」を具体的な教育目標に挙げて幼児の保育から大学教育に至るまでで一貫した教育を行う私立学校です。

弘化4(1847)年3月、京都に公家の教育機関として開講しました。翌々年の1849(嘉永2)年に、学習院の名称が定まっています。 明治に入って天皇が京都から東京に移るとともに、大名や公家たちは華族と称することになり、時を同じくして京都の旧学習院は廃止されました。明治10(1877)年10月、華族の団体である華族会館が独自の教育機関を神田錦町に設立した際、明治天皇より校名を京都時代から継承して「学習院」と賜わりました。その後、火災や関東大震災、戦争等によって幾多の移転や変革がありました。しかし、豊かな人間性をそなえ、内外にわたり各分野において積極的、創造的に貢献していくことができる人材を育成するという教育方針は、一貫して変わっていません。

Q)学習院大学史料館について教えてください。

A)学習院大学史料館は学習院大学のキャンパス内の北別館と北2号館にあります。

学習院大学史料館は昭和50(1975)年に史料の収蔵、整理・保存と公開を行うことを目的として設置されました。最も多く収蔵している史料はいわゆる文書(もんじょ)ですが、展覧会などではビジュアル的要素が強いものが好まれますので、最近では文書以外の史料の収集や保存にも力を入れています。収蔵している主な史料は、公家・地下官人、大名・華族や大名家家臣や幕臣、村の名主家の史料や、学習院関係者の史料などです。総件数は13万件になります。

学習院が近代国家の成立にともない華族の教育を目的としつつ、多くの優秀な士族や平民の入学も許可された学校として誕生したという歴史から、日本の教育においてはもちろん、政治・経済・文学等のあらゆる分野においての重要な役割をになった人物の多くが、何らかの形で学習院と関わりを持っています。その史料は一大学としてだけではなく、日本国家にとっても貴重なものだと思っています。

学習院大学キャンパス内の北別館(左)、北2号館(右)にある史料館。

Q)学芸員の方の役割について教えてください。

A)学芸員は「学芸員資格」を有する専門職員です。主に史料館の史料の収集、保管、整理、展示や調査研究などを行っています。保有している史料を中心にした展覧会の企画も学芸員の仕事です。

また学習院大学には学芸員資格を取得する学芸員課程があります。この運営にも携わっています。

学習院大学史料館で使用しているバーテックのブラシ

Q)学習院大学史料館で使用しているバーテックのブラシを教えてください。

A)学習院大学史料館では、史料館と史料保管室のドアには、ドア隙間対策用防虫ブラシ『パキラ・ドアドア』と『バーカットフレックスシステム』を、シャッターには、シャッター隙間対策用防虫ブラシ『バーシャット』を取り付けています。

ドア隙間対策用防虫ブラシ「パキラ・ドアドア」(右)、「バーカットフレックスシステム」(中央)、シャッター隙間対策用防虫ブラシ「バーシャット」(左)。

Q)学習院大学史料館で、バーテックのブラシを取り付けた理由を教えてください。

A)バーテックのブラシを取り付けたのは、防虫対策の為です。史料館は緑と自然にあふれる学習院大学キャンパスの中にあります。また史料館の建物は100年以上の歴史がある古い建造物なのでドアや窓のいたるところに隙間が見られます。ですから館内への虫の侵入が多く困っていました。史料や建物の保存の為に、防虫対策は不可欠でした。

学習院大学史料館の外観。緑豊かな自然が広がるキャンパス内にあるため、虫の発生も多いのが悩みの種。

史料館にとっての防虫対策の難しさ

Q)防虫対策にバーテックのブラシを取り付ける以前は、どのような対策をされていましたか。

A)対策としては虫を見つけたら殺虫剤を噴霧する。ほうきで掃きだす。といった事くらいです。他に虫が入ってきそうな隙間に両面テープのようなものを貼って侵入してくる虫を食い止めようとしたこともありました。何か効果的な対策があるのか情報を得ようと、防虫・防菌のセミナーにも出席していましたので、そのセミナーで手に入れた害虫捕獲器のサンプルを設置したりもしてみました。しかし、残念ながら目立った効果は現れませんでした。

建物の隙間から虫が侵入するのだろうと、大まかな予測はできていたのですが、大きな対策が取れなかったのはそれなりの理由もありました。

学習院大学史料館に保存されている資料の一部。

文書が多いため、保存には防虫対策が必要不可欠。

Q)防虫対策に大きな対策が取れなった理由を教えてください。

A)

歴史的建造物である為の制限

学習院大学史料館の建物は、明治42(1909)年に、旧制学習院中・高等科の図書館として建てられ、平成21(2009)年に国登録有形文化財として登録されました。100年以上の歴史がある、木造平屋建て・浅瓦葺・切妻造の建物です。今も建物の随所に竣工当時の面影を見ることができます。私たちは史料だけでなく、この建物自体も後世に残していく必要があります。防虫の為だからと言って扉や建て付けを現代的なアルミサッシに取り換える等ということは出来ません。歴史的建造物であるが故の制限があるのです。

防虫対策検討の人員・時間の不足

史料の防虫対策は私たち学芸員の仕事の一つではあります。しかし史料の整理や展覧会の企画や運営等、もっと大きなウェイトを占める仕事があり、なかなか防虫対策に割く時間がありません。一般の企業、例えば食品会社や薬品会社には、それ専門の部署等があるのかもしれませんが、学習院大学には防虫対策を検討する人員や時間が不足していました。

予算の不足

史料館の防虫対策の予算がほとんど組まれていませんでした。もし予算が潤沢にあったなら、定期的に業者に殺虫剤を噴霧する等の大きな対策が取れたかもしれません。しかし限られた予算内で対策をとるには限界がありました。

健康・環境への配慮

防虫対策にブラシが有効だと知る以前は、防虫には殺虫剤の噴霧が最も効果があると思っていました。しかし、度重なる殺虫剤の噴霧は私たち自身や学生の健康への影響が心配されました。また学習院大学の校内は緑豊かで自然があふれる環境にあります。虫は史料館に入れば害虫ですが、自然の中にいる時は大切な生態系の一部です。健康や環境への配慮を考えるとむやみに殺虫剤を噴霧することは憚られました。

情報交換の難しさ

史料館では展覧会を開催する際に、他の美術館や博物館から展示品を借り受けるという事があります。大切な展示物ですから、借りる際には適切に保管されるか確認されます。これは私たちが展示品を貸し出す場合も同じです。もし借り受ける側が適切な保管ができないと判断されれば貸し出しは行われないでしょう。ですから他の美術館・博物館の学芸員と防虫対策について具体的に情報交換することは憚られました。相談する相手にも細心の注意を払う必要がありました。

バーテックのブラシを知った経緯

Q)バーテック、またバーテックのブラシを知った経緯を教えて下さい。

A)国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された、公益財団法人文化財虫菌害研究所が主催する「文化財防虫防菌処理実習講習会」に出席したのがきっかけです。そこで、バーテックは文化財施設における害虫の侵入防止対策についての講習を行い、実際の商品をブースで紹介していました。その時初めて、防虫対策にブラシが有効なのだと知りました。

バーテックの本社は大阪ですが、東京に関東事業所があります。関東事業所の北條さんを学習院大学史料館の担当として紹介してくれました。北條さんはすぐに学習院大学史料館に足を運び、状況を見てくださいました。そして、虫が侵入してくるのはどこからなのか、どこにどのようなブラシを設置すれば防虫対策になるのかをアドバイスし、提案してくださいました。

Q)先ほど歴史的建造物である史料館の建物自体に手を加えるには制限があるとお伺いしました。ブラシを取り付ける事は問題がなかったのですか。

A)ブラシを取り付けても、外観からはほとんど分からないと説明を受けました。実際に取り付けてからも外観上はわからないことも再確認しました。またブラシを取り付けるにはビスを打つ必要がありましたが、この点についても、歴史的建造物への保存と管理には問題がないことを確認しました。

ドアに取り付けられたドア隙間対策用防虫ブラシ「パキラ・ドアドア」。内側(写真・左)から見ても目立たない。外側(写真・右)からは全く分からない。ドア自体へのダメージもほとんどなかった。

防虫対策にバーテックのブラシを採用するに至った理由

Q)防虫対策にブラシが有効であると知って、ブラシを取り扱っている他社と比較検討されましたか。

A)一応、インターネットなどで他にも防虫対策用ブラシを扱っている会社があるかどうか比較・検討はしてみました。他にもあるのだと知りましたが、それは防虫対策としてブラシが有効なのだという確認の意味しかありませんでした。もしかしたら他社でもっと性能の良いブラシ、金額が安いブラシがあったのかもしれません。しかし、バーテック以外にお願いしようとは考えませんでした。

ドアやシャッターに取り付けたバーテックのブラシ。ブラシは隙間を埋め、防虫対策に効果的。学習院大学史料館では、バーテックと他社のブラシを比較検討することはしなかった。

Q)他社のブラシと比較検討せずにバーテックに決めた理由を教えてください。

A)何より、北條さんが史料館に足を運び、アドバイス・提案してくれたことにつきます。これまでもセミナー等で知った業者に相談したことはありました。どこも殺虫剤を使えば良い、捕獲器を使えば良いと口頭でのアドバイスにとどまり、サンプルをくれる事はありましたが、どこにどのように使えば効果的かを具体的に教えてくれる業者はありませんでした。実際に学習院大学まで来てくれて、現場をチェックしてくれたのは、バーテックの北條さんが初めてでした。

バーテックの北條さんには、ブラシを売りたいというより、防虫対策をして大切な史料を守る私たちの力になりたいという熱意を感じました。もし、北條さんが足を運んで下さることもなく、防虫対策にはブラシが効果的ですよとの提案だけだったとしたら、ブラシを取り入れる事はなかったと思います。

「ブラシの取り付けもバーテックが対応

Q)ブラシの取り付けはどのようにされましたでしょうか。

ブラシの取り付けもバーテックに相談しました。

当初は私たちが自分でブラシを取り付けることになるのだと聞いていました。しかし、史料館の学芸員は全員女性ですし、工具を取り扱ったりビスを打ったりという作業に慣れていません。ブラシの微妙な高さや角度を調節出来ずに効果が半減するような事になるのではないかとの不安もありました。何より慣れない作業をする必要があると思うと、少し億劫に感じました。

そのことを相談したところ、快くブラシの取り付けの手配まで対応してくれました。これはとても心強く、またありがたいと思いました。

「学芸員は女性ばかりでしたから、ブラシの取り付けを相談できたのは助かりました」と丸山美幸さん。

ブラシの防虫対策効果

Q)ブラシを取り付けて、約半年が過ぎました。 効果はいかがですか。

A)効果にはとても満足しています。 正確に測定したわけではないので感覚的でしかありませんが、ブラシを取り付ける以前に比べると、確実に防虫効果が上がっているように思えます。それは2つの作業の必要が無くなったことからもおわかりいただけると思います。

1. 殺虫剤の噴霧の回数の減少

ブラシの取り付け以前は、館内に虫を見つけたら殺虫剤を噴霧していました。回数は正確にはわかりませんが、かなり頻度は高かったように思えます。しかし、バーテックのブラシを取り付けてからの殺虫剤の噴霧はほとんどありません。館内で虫を見かけることも少なくなりました。

2. ほうきで掃きだす回数の現象

史料館の前に大きな桜の木があります。春は見事な花を見せてくれますが、葉桜になってからの毛虫の発生もひどく、その季節にはドアの前に発生した毛虫をほうきで掃きだす作業に追われる事もありました。しかしブラシを取り付けた今年は、その必要が全くありませんでた。

バーテックのアドバイスに沿って、史料館・保管室のいたるところに設置されたシャッター隙間対策用防虫ブラシとドア隙間対策用ブラシ。ブラシを取り付け後、大きな防虫対策効果が見られた。

バーテックのアフターフォロー

Q)ブラシを取り付けた後、何か問題はありましたでしょうか。

A)ブラシの効果には満足していました。しかし、ドアに取り付けたブラシの一部が、ドアから外れている箇所がありました。これもバーテックに相談しました。担当してくださっている北條さんは、すぐに当館に足を運んでくださり、不具合を解決してくれました。

また同時に他の箇所も見回ってくれました。その際、ドアにマットを敷いている箇所のブラシの消耗が激しいのを見つけて、新しいブラシへの交換を提案してくださいました。

こうした迅速で丁寧なアフターフォローには、大変好感を持ちましたし、ありがたかったですね。また今後への大きな安心感にもつながりました。防虫対策については何でもバーテックに相談しようと思いました。

「バーテックが気持ちよくアフターフォローに応じてくれるのは、大きな安心になっています」と冨田ゆりさん。

バーテックへの今後の要望

Q)バーテックへの今後の要望があれば教えてください。

A)大学だけではなく学校は社会とは大きな接点がなく、どちらかというと閉じられた社会のような気がします。皆はそれぞれの学問や研究には熱心に取り組みますが、それ以外の事については必要な事であっても情報が不足しがちです。大切な史料を守るにはどうすれば効果的なのかを考えたり、実行したりする事もその一つでした。

バーテックは防虫対策に関してこれまでに食品会社、薬品会社と共に培った豊富な知識や経験があるように思います。それを学校や美術館、史料館などに生かせないかを今後も引き続き研究していただければありがたいなと思います。私たちが日頃困っていることや悩んでいる事に積極的に耳を傾けて、一緒に考え、提案していただき、解決していっていただきたいと思っています。

今後とも末永く、どうぞよろしくお願いいたします。

■営業担当より一言

身に余るお褒めの言葉をいただいて恐縮しています。
弊社はこれまでブラシを通しての防虫対策により、多くの食品会社様、薬品会社様とお取引いただいて参りました。その知識と経験・技術が、新たな分野である美術館や博物館でお役に立てると知ったのは望外の喜びでした。今後も、この大きな社会的役割を担うべく尽力してまいりたいと思います。

お忙しい中、ありがとうございました。

取材日時 2013年10月
取材・執筆 カスタマワイズ

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