導入事例

「飛鳥」の歴史と文化を紹介する、奈良文化財研究所の資料館奈良県文化財研究所 飛鳥資料館 様

導入製品

奈良県文化財研究所 飛鳥資料館

「ブラシ導入後、施設内で虫を見かけなくなりました。
虫の処分や関連業務を行う時間が減ったことで
調査・研究に、より時間を費やせます。」

奈良文化財研究所 飛鳥資料館 企画調整部 展示企画室 西田 紀子様(写真右から3人目)と職員の皆様、
弊社代表取締役社長 末松 仁彦(右)、マーケティング部係長 新井健一郎(左)

奈良県の山間に位置することもあり、かねてより虫の侵入に悩まれていた奈良文化財研究所 飛鳥資料館では、虫の侵入を防ぐためにバーテックの「バーカットフレックスシステム」と「パキラドアドア」を導入されました。今回は、それらバーテック製品を導入するに至った経緯やその効果を、飛鳥資料館の展示企画室に所属されている西田紀子様に、文化財の保護という観点も含めて、詳しくお話を伺いました。

所在地:奈良県高市郡明日香村奥山601
開設:1975年(昭和50年)
観覧時間:9:00~16:30(入館 16:00まで)
休館日:毎週月曜日(祝日と重なれば翌平日)、
12月26日~1月3日、特別展開催中は無休
観覧料:【個人】一般:270円、大学生:130円
【団体(20人以上)】一般:170円、大学生:60円
2015年5月現在
Webサイト:
https://www.nabunken.go.jp/asuka/

外観写真

推古天皇が豊浦宮に即位した592年から、藤原京に遷都する694年までの102年間、政治と文化の中心地として栄えた飛鳥には、宮殿や寺院、古墳、水時計など、様々な遺跡があります。
飛鳥資料館は、そんな日本人の心の故郷とも言える「飛鳥」の歴史と文化を分かりやすく紹介する、奈良文化財研究所の資料館です。

奈良文化財研究所 飛鳥資料館について

Q)まずは奈良文化財研究所 飛鳥資料館様がどういった施設なのか、お教えください。

A)奈良文化財研究所という、文化財を研究する機関の中にある展示部門です。
文化財といっても多岐にわたりますが、研究所では、埋蔵文化財、いわゆる遺跡や、古文書などの文献、寺院や民家などの古建築、文化的景観や庭園史などを主に取り扱っています。そういった文化財を調査・研究するだけでなく、傷んだ文化財の保存方法の研究や、文化財の調査方法などの研究、発表も同時に行っています。
最近、当館で取り扱った文化財としては、キトラ古墳があります。メディアに大きく取り上げられましたのでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Q)奈良文化財研究所 飛鳥資料館様が所属する国立文化財機構とは、どういった組織なのでしょうか?

A)私どもの奈良文化財研究所と東京文化財研究所、そして東京、京都、奈良、九州にある国立博物館は、それぞれ独立した組織でした。行政改革の際に、それぞれの組織をまとめて活性化させようという流れになり、平成13年に文化財研究所と国立博物館がそれぞれまとまりました。さらに平成19年にそれらすべてをひとまとめにして、国立文化財機構が発足し、平成23年にはアジア太平洋無形文化遺産研究センターが設置されました。

展示室のみならず、敷地内の庭にも貴重な石像や古墳などを展示。

バーテックを知った経緯は?

Q)バーテックを知った経緯を教えていただけますでしょうか。

A)2011年、前任者が文化財IPM(※)に関わる研修会に参加したところ、会場で防虫対策用ブラシを展示されていたことがきっかけでバーテックのことを知りました。

当館は、自然環境が豊かな場所にあり、館内に虫が侵入することが常に問題になっていました。なにか解決策がないかと考えていたところバーテックのドアに取り付けるタイプの防虫ブラシ「バーカットフレックスシステム」の存在を知り、まずは試しにということで、2ヶ所のドアに設置してみました。

導入前(左)と導入後(右)。ドアとドア枠の隙間がブラシによってキレイになくなっていることが分かります。

ただ昨年、奈良県ではカメムシが大量発生しました。さすがにそうなると建物内だけでなく、ひどい場合はケースの近くまで虫が侵入していました。
防虫ブラシは部分的な導入でも効果を感じていたので、予算ができたら全てのドアに取り付けたいという話になりました。

Q)基本的な質問になってしまいますが、虫が出ることで、文化財にはどのような影響が出るのでしょうか?

A)文化財が、木や古文書など紙の場合は食害されてしまいます。また、虫の死骸が原因となり、そこからカビや菌が発生することも、文化財にとっては悪影響です。
そう言ったこともあり、当館としては館内への虫の侵入数を出来る限り減らしていきたいと考え、様々な対策を検討しております。

※文化財IPM……IPMとは「Integrated Pest Management(総合有害生物管理)」の略称で、清掃や温湿度などの環境管理と薬剤などを用いた防除の組み合わせにより、文化財を加害する害虫やカビをなくし、被害を防止する試みのこと。

「自分たちが意識してドアを締めるようにしたのはもちろん、職員にも、ドアが開いていたら締めてくださいとお願いするようになりました。ブラシを取り付けてから、全体の意識が変わってきました」(西田氏)

文化財IPMへの取り組みがブラシの追加購入に

Q)西田様がバーテックのことを知った経緯は?

A)私が文化財虫菌害研究所の主催している、IPMの研修会(文化財の虫菌害・保存対策研修会)に参加したことです。
研修会では、バーテックが製品の展示をされていて営業担当の新井さんとご挨拶し、「バーカットフレックスシステム」や「パキラドアドア」といった商品の紹介をしていただきました。

先ほども述べましたが、防虫ブラシに効果があることは分かっていましたが、当館としての予算計画もありますので、全てのドアに導入するという訳にもいきませんでした。そこで会場でいただいたサンプルを持って帰り、室長や職員に商品の説明をして、「防虫ブラシの導入を前向きに考えていこう」ということになりました。

Q)そこから実際に導入されるまでは、どのような流れを経たのですか?

A)この頃は館全体で、文化財IPMを意識するようになっていました。 当初、IPMの取り組みを行っていた時は、IPMと言ってもまだまだ個人レベルでしたし、外部の方に教えてもらいながらというものだったんです。ですが、当研究所には保存科学の研究者も在籍しているため、自分たちで出来ることは自分たちで行い、出来ないことを外部に依頼しようということになったんです。
例えば、これまで外部の業者に依頼していた収蔵庫の大掃除などを、自分たちで行うようになりました。少しずつですが「自分たちで出来ることは自分たちでやる」という意識に変わっていきました。
こうした取り組みによって、防虫対策を行うための予算を確保することが出来きました。

「バーカットフレックスシステム」や「パキラドアドア」を選ばれた理由

Q)新たに導入された「バーカットフレックスシステム」や「パキラドアドア」を選ばれた理由について、お教えいただけますでしょうか。

A)まず正面のエントランスの自動ドアにつきましては、虫を出来るだけ防ぎたいことと、美観を損ねたくないという理由から、忌避剤が入っていて防虫効果が高く、またアルミフレーム製でデザイン的にもしっくりくる「パキラドアドア」を採用させ ていただきました。

「パキラドアドア」はアルミフレームのため、ステンレスのドアとの色の調和が良く、またブラシに忌避剤が含まれているため防虫効果も非常に高くなっております。

そしてエントランス以外のドアは、ステンレスのドアではないこと、またコスト的に高価な製品を入れにくいということもあって、「パキラドアドア」よりも安価ですが、しっかりと虫の侵入を防いでくれる「バーカットフレックスシステム」を選ばせてい ただきました。

一方、「バーカットフレックスシステム」は比較的安価で、取り付け作業も簡単。ドア下部の隙間を埋めることで虫の侵入を未然に防ぎます。

導入を本格的に考えた段階で、バーテックの新井さんに当館までお越しいただいたのですが、その時に建物の中を一緒に回って、例えば収蔵庫のドアなら外からの距離があるため「バーカットフレックスシステム」で良いでしょうなど、アドバイスをいただきながら選べたこともあって、当初考えていた金額内に収めることが出来ました。

Q)実際に一部だけでなく館内全域に取り付けてみての感想はいかがですか?

A)感想としては、格段に虫の侵入は減っているように感じます。 実は当館には虫取り網を設置しています。館内で虫を発見したら、網を使って捕まえているのですが、導入以来、まだ虫取りはしていません。
館内に落ちている死骸も減っていると感じています。

まだ虫が本格化する夏はこれからではありますが、5月に入って、どんどん暑くなってきて、既に館の外には色々な虫を見かけたり、死骸が落ちているのですが、館内では全然、虫や死骸が見当たらないので、ちょっと感動してしまいました。

他のスタッフとも「虫が少なくなったね」という話は、よくしています。今後、ますます虫が増えていく夏にかけてどうなっていくか、楽しみですね。

「この人だから任せられる」という安心感!

Q)バーテックは、「文化財IPMコーディネータ」の資格をもっているスタッフが在籍しています。こういった企業としての取り組みは、ブラシ導入のきっかけのひとつになりましたか?

A)文化財IPMへの理解があって、研修会などにも積極的に参加されているからこそ、バーテックさんを知ることが出来ましたし、当然資格もきっかけにはなりました。しかしそれ以上に、当館にとっては、担当してくださっている新井さんに対する信頼感が強いですね。
と言いますのも、新井さんは、まだ導入予算がどうなるか分からない段階の時に、当館に来てくださったばかりか、その時に、展示環境とかも含めてブラシの設置を考えてくださったり、導入に関する悩みにも真摯に応えてくださいました。

例えばブラシを付けるか迷っている部分に関して、「そこまではいらないんじゃないですか?」と答えてくださったり、前室のシャッターへのブラシ導入が予算的に厳しいとなった時も、「前室の内側のドアにしっかり付ければ、それだけでなんとか防げますよ」と教えていただいたり。
そこで「付けましょう」と押せば商売的には良いのでしょうに(笑)。でも、そこが信頼に繋がっていったんだと思います。ただ商売だけでやっている人じゃない、文化財を思ってくださる営業さんだなと強く感じましたね。

今回は、ブラシの取り付け・施工も新井さんにやっていただいたのですが、その辺りも含めて、バーテックなら、新井さんなら任せられる、という大きな安心感はありますね。

「私自身、文化財IPMを勉強している身として、館内に侵入する害虫の数を減らし文化財や大切な作品を守るお手伝いがしたいという思いがあります。そのためにも、ただモノを売るだけでなく、ずっと長くパートナーとして付き合っていきたいと考えているんです」(弊社・新井 写真右)

バーテックへの今後の要望

Q)今後、バーテックに期待したいことなどがあればお聞かせください。

A)掃除用のブラシも販売されていますので、掃除で使いやすい商品や便利なものなどがあれば、ご教示いただければと思います。

例えば、出土品の扱いには、刷毛を使います。しかし、刷毛は使いこむとどうしても毛抜けがあるので使い捨てに近くなります。金額を抑えた、でも使い勝手がいいものを開発してくださるとありがたいです。 掃除機のノズルでも相談したいことがありますね。

■営業担当より一言

バーテックではお客様のアイデアや悩みをお聞きすることで、新しい商品を開発しております。
使い勝手のいいハケも含め、そういった文化財向けにより特化した製品を飛鳥資料館様と一緒に開発してけると嬉しいです。掃除機の件も後日お聞かせください!

博物館へのメッセージ

Q)虫の侵入に悩んでいる全国の博物館に向けて、メッセージをお願いします。

A)当館では、虫の死骸を見つける度に、処分、消毒すると同時に、写真をとって記録もしているのですが、この作業は1匹につき、10分、15分はかかります。こういった対応は、文化財を守るために大切な仕事ではあるのですが、やはり負担になります。ブラシ導入で虫が減ることによって、そういうことに多くの時間を割かなくて済むようになるのは、本当にありがたいです。

マンパワーが少ない小規模館では、文化財IPMに取り組んだり、防虫のための設備を整えることは、予算的に本当に大変なことだと思います。でもだからこそ、ちゃんとしたプロにお願いした方がいいと思います。

プロとは、IPMをわかってくれて、虫に対して同じ危機意識を持って、同じ目線で考えてくれるところ。バーテックは、まさにそういうプロだと感じています。

虫がたくさん館内に入ってくるという状態は、慣れてしまうとつい当たり前に感じてしまうかもしれませんが、文化財にとっては本当に良くない環境です。
その状況を改善したい時には、ブラシ導入を検討材料のひとつにしてみてください。
初期費用こそ掛かりますが、虫にてんてこ舞いすることを考えれば、決してマイナスではないと思います。少なくとも、当館ではいい買い物をしたと思っています。

お忙しい中、ありがとうございました。

取材日時 2015年5月
取材・執筆 カスタマワイズ

Page top